J1首位陥落の町田・黒田剛監督 2失点の神戸戦で感じた“甘さ”「楽な道を選びたがるのが人間」
町田の黒田剛監督が15日、ルヴァン杯・北九州戦(17日・ミクスタ)に向けた非公開練習後に取材に応じ、敗れてJ1首位から陥落した国立での神戸戦(13日)を振り返った。2点を先行され、後半アディショナルタイムに1点を返したが1―2と敗れた。「そこまで大きな差があったわけではない。でもチャンスですごい推進力、スピードを持って一気に(ゴール前に)入ってこられた。試合慣れし、J1を戦う上での洗練された動き出しや反応は、映像で振り返るとその差は歴然だった」と分析した。 そんな動き出しや反応の差は、どこから生まれていたのか。「うまい下手、速い遅いの前に、チャンスと感じられたかどうか、ピンチと感じられたかどうか」の差だという。指揮官が例に挙げたのが、前半22分にDFドレシェビッチのサイドチェンジがミスとなり、ボールを奪った神戸FW武藤が中央裏へ走ったFW佐々木へとラストパスを通したシーン。シュートはGK福井が防いで失点とはならなかった。しかし「(7日の)川崎戦でも(川崎FW)小林悠に抜けられて、同じような形を見ている。その修正力も含め、これが危ない、ピンチだと思ってお互いが締められるか。2試合連続でやっているということは、まだまだ甘さというか、事の重大性を理解していないと見受けられる」と厳しく指摘した。 J1初昇格の今季、ここまで8試合で5勝1分け2敗の3位につける。喫した2敗(広島、神戸)はともに2失点しており、チームカラーの堅守にわずかな隙が生じた試合を落としたとも言える。黒田監督は、ここまでの8試合で「1番しっくりきているのは(開幕戦の)G大阪戦。退場者を出すまでは、ほとんどパーフェクトなゲームだった」と語る。J1初陣となったG大阪戦では前半17分に先制。その後も流れをつかんだが、後半15分にMF仙頭が2枚目のイエローを受けて退場。ひとり少ない中で、終盤に追いつかれてのドローだった。 黒田監督は言う。「慣れてくると散漫になってきたりする。修正、DFラインのアップダウンもそう。これぐらいでいいや、という自分の基準を優先してしまう。それがちょっとしたひずみとして出てくる。やはり楽な道を選びたがるのが人間なので。だからそういったところに言及しながら、もうひとつ上のチャレンジをしていこうと。G大阪戦の退場者が出るまではすごくよかった。あれをもう一度、思い出させていきたい」。J1の経験を積み重ねる中で、わずかながら生まれた隙を徹底的に排除し、上位陣に食らいついていく覚悟を示した。
報知新聞社