【ライブレポート】iri、自身最大規模のライブハウスツアー『iri Live House Tour 2024“Run”』を完走
■「最高のファイナルだった!」(iri) iriにとって最大規模となる、全国12ヵ所を回るライブハウスツアー『iri Live House Tour 2024“Run”』のファイナル公演が、iriの地元・神奈川県にあるKT Zepp Yokohamaで行われた。 【画像】ラストはTAIKINGをパートナーにアコギで弾き語り BGMが大きくなり、照明が落ちたステージにバンドメンバーが登場。「rhythm」のイントロが演奏されるなか、iriが姿を現した。ハスキーでグルーヴィーな唯一無二の歌声が聴こえると、オーディエンスは一気に沸き立ち、気持ちよさそうに体を揺らし始めた。2024年3月、初の武道館公演を成功させたiri。ステージ上の存在感がいっそう増している。 iriが“私は私の“と歌ってマイクをフロアに向けるとオーディエンスは“rhythmで”と歌った。KT Zepp Yokohamaには、最初から親密な空気が流れていた。iriが「皆さんこんばんは~」と言うと、フロアから「かわいい!」という声援が上がり、iriは「そういうのほしい(笑)」とうれしそう。「自由に楽しんで言ってください」と言ってから、エレクトロチューン「ナイトグルーヴ」へ。ステージ上も、フロアも躍動する。 ツアー中、ところどころで感極まったと明かしたiri。「今日でツアーが終わっちゃうの寂しい。バンドのメンバーと楽しく回ったもんね。この素晴らしいメンバーだからこそ」と言って泣きそうになり、「涙を自分で招いてる」と突っ込んだ。しっとりとしたミドルバラード「染」で、過ぎ去っていく夏や、君と僕のかけがえのない思い出を切なく歌い上げたと思ったら、夏に映える曲を続けた。 サポートギタリスト、TAIKING(Suchmos)の涼し気なギターリフが炸裂した「COME BACK TO MY CITY」。「Come Away」のイントロが演奏されるなか、iriは「夏が来ますねー。まだまだ暑くなるよね。楽しんでいきましょう!」と宣言。ラップパートでさらに心地よい風を吹かせた。「皆さんまだまだ盛り上がりますか?」と言って、カウントアップからエレクトロ×80’sソウルのダンスチューン「STARLIGHT」へ。ギターのTAIKING、ベースの村田シゲ(口ロロ)、キーボードの村岡夏彦、ドラムの堀正輝、マニュピレーターのジョージ(Mop of Head)というお馴染みのバンドメンバーが奏でる煌びやかでタイトなアンサンブルに合わせて、iriもオーディエンスも楽しそうに踊った。 バンドメンバーのほうを振り返って、少し照れ臭そうに「ファイナルだから振り返りとかあってもいいんだけどって思った」と言ったiri。「ツアータイトルどおり駆け抜けた1ヵ月だった。前よりライブを楽しむ感じが戻ってきて」と名残惜しそうにツアーを振り返ったあとは、本編ラストのブロックへ。「Sparkle」「24-25」と続け、オーディエンスの大合唱が響きわたった。 ピアノが響き、余韻とこれからへの期待がゆるやかに膨らんでいくと、iriが「もう後半だよ。終わっちゃうよ」と嘆き、オーディエンスが残念そうに「ええー!」と声を上げた。「ありがとうございます。まだもうちょっと盛り上がれますか?」とiriが言って演奏されたのはツアータイトルにもなっている最新曲「Run」だ。ドラムンベース調の奔放なトラックにiriのスムースな歌が乗り、スリリングな煌めきを放った。本編ラストはディスコファンク調の「摩天楼」。バンドメンバーおのおののプレイヤビリティが炸裂するアウトロで、iriは「終わっちゃった~」と声を上げた。 アンコールの1曲目は、iriの代表曲でもある「会いたいわ」。「会いたい」という気持ちが切なく募るさまを体現したラブソングが披露されると、フロアからは「泣いちゃう!」という声が上がった。ステージにひとり残ったiriは、エレキギターを持って椅子に座った。「ファイナル感ありますね」と呟くと、フロアから「最高!」や「ありがとう!」や「大好き!」という声援が上がった。iriが「良い時間だね。1曲弾き語りをひとりでやります」と言って演奏されたのは「はじまりの日」。オーディエンスは、固唾をのむようにして極上の歌に耳を傾けた。 2024年3月に行われた初の武道館公演のDVD/Blu-rayが発売されることを告知し、満面の笑顔で「マジで武道館最高だったよ」と喜びをかみしめたiri。さらに、11月23日に大阪・グランキューブ大阪、11月28日に東京・東京ガーデンシアターでワンマンを開催することも発表。充実した表情で「あっという間に終わっちゃうね。よかったら歌ってほしい」と言って最後の曲に移ろうとしたところ、セミファイナルのときに撮ったiri&バンドメンバーの写真がバックプリントされたTシャツを着たTAIKINGが現れ、iriに同じTシャツを手渡し。信頼するバンドメンバーの粋な計らいに喜びを隠さないiri。 「皆さん夏フェスでお会いしましょう。最後にTAIKIくんとやります」と言って、ふたりでアコギを爪弾き、「Wonderland」を披露。ハンドクラップが巻き起こり、2番のサビをiriは歌わず、オーディエンスの大合唱が響きわたった。最後はiriとオーディエンスの歌が重なり、会場がひとつに。ステージの端から端まで歩きながら笑顔で手を振り、「最高のファイナルだった!」と声を上げたiri。30代になってから初めてのツアーはとても充実したライブで締め括られた。 TEXT BY 小松香里 PHOTO BY 田中聖太郎 <セットリスト> 1. rhythm 2. Corner 3. Slowly Drive 4. Season 5. ナイトグルーヴ 6. Wandering 7. Roll 8. 無理相反 9. Only One 10. 染 11. COME BACK TO MY CITY 12. Come Away 13. STARLIGHT 14. Sparkle 15. 24-25 16. Run 17. 摩天楼 18. 会いたいわ 19.はじまりの日 20. Wonderland w/Gt.TAIKING リリース情報 2024.08.28 ON SALE Blu-ray/DVD『iri LIVE at 武道館』 ライブ情報 『iri Presents ONEMANSHOW “East/West”』 11/23(土・祝)大阪・大阪国際会議場グランキューブ大阪メインホール 11/28(木)東京・東京ガーデンシアター
THE FIRST TIMES編集部