【バレー】群馬・齋藤真由美監督「怒ってはいけない。私は感情が表に出やすいタイプだけど、益子直美姉さんからは”わかったつもりで選手に接するな”と言われています」 V2女子
全員でコートに立つ、「全員バレー」には齋藤監督自身の経験、想いも込められている。 「私が現役の時にはちょっと満たされない部分がありました。チームにはトップ選手が集まっていて、性格的にも自分がナンバー1だっていう自負心がみんなにありました。その中での競い合いでしたが、時には足の引っ張り合いもあって、心が満たされない時もありました。でも…」 遠い目で当時を語る齋藤監督の口元に笑みが浮かんだ。 「でもあの子たち、本当に仲間を大事にする子たちなんです。今、監督をやっていてすごく満たされています」 常に注目される存在として苦悩してきたマッチョこと齋藤真由美にも新しい翼が生えてきたのかもしれない。 「ただ、あの子たちが悲しい顔する時も、もちろんあります。そういう時はやっぱり自分たちスタッフのアプローチが悪かったんだなと思いますし、選手たちが元気な時はこちらも良かったのかな、と。選手は自分を映す鏡だと思っています。選手たちは皆さんには伝えられない多くの苦しみ、怪我の悩み、いろいろなことを内側に持っています。そういう世界なんです。その中で、人の心を揺さぶるようなプレーをしていかなくちゃいけない、それが私たちプロの仕事です。そういう選択をした選手たちを支えられるように頑張っていきたいですね」 「私、いいこと言ってるかな?」 照れ隠しもあったのだろう。齋藤監督は報道陣を前に少しおどけて見せた。 V2優勝を手に入れるためにはファイナルステージ初日に長年のライバルであるルートインに勝ち、さらに最終日、今季無敗で独走した姫路に勝たなくてはならない。 姫路の監督はかつての師、アリー・セリンジャーの息子にして、ダイエー時代の指導者アヴィタル・セリンジャーだ。 「姫路さんには日本代表級の選手もいますし それを指揮してるのはかつての仲間、アヴィタルです。どういう攻撃をしてくるか、ある程度は感じています。まず、相手に飲まれないことですね。会場に飲まれないことも大事です。自分たちがやってきたことを信じて個々の役割をしっかり果たせば良い結果が出せると思っています」 マッチョとマコ(益子直美さんの愛称)がそろい踏みした前橋大会。レジェンドプレーヤーの薫陶を受けて、群馬グリーンウイングスは更なる飛躍を見せるか。ファイナル3に大いに注目していきたい。
堀江丈
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