リニアは当初の想定通りに開通を 三重県の期成同盟会が決議を採択
三重県や市町などでつくる「リニア中央新幹線建設促進県期成同盟会」(会長・一見勝之知事)の今年度の総会が1日、津市で開かれた。JR東海や政府に対し、早期に県内駅の場所を確定させ、着工するよう求めた。東京(品川)―名古屋―大阪の全線を当初の想定通り2037年に開通するよう求める決議を採択した。 県内の市町長や県議、経済団体幹部など165人が参加した。一見知事は、東京から鉄道や航空機で直行できないのは三重県と奈良県だけだと指摘し、「一日も早く(リニア開業を)前倒ししてほしい」と訴えた。 JR東海の沢田尚夫・中央新幹線推進本部長らも出席し、懸念となっている静岡工区の工事の進捗や、三重県内の駅候補地となっている亀山市内2か所でボーリング調査が完了したことを報告した。県の担当者は、リニアと在来線の乗り継ぎを含めた2次交通のあり方などを示す「みえリニア戦略プラン」を25年度末までに策定する方針を示した。 リニアの計画は当初、27年に品川―名古屋間で先行して開業し、大阪への延伸・全線開通の時期は早くて37年とされてきた。JR東海は昨年12月、三重県内の駅の場所などを絞り込むための環境影響評価(アセスメント)を亀山市内で始めている。 今年3月、JR東海は品川―名古屋間の27年開業目標を断念すると表明。一方、政府は6月に閣議決定した「骨太方針」に、37年の全線開通目標を維持するよう盛り込んだ。