【山口県】[東ソー㈱]強度5倍、重さ5分の1 植物由来の新ゴムを開発販売
山口県周南市の総合化学メーカー、東ソー㈱(桒田守社長)は3月29日、自動車のゴム部品などに使われるクロロプレンゴム(CR)に植物バイオマス由来の素材であるセルロースナノファイバー(CNF)を組み合わせた新グレードの製品を開発した。CNFは鋼鉄との比較で重さが5分の1、強度は5倍以上の高性能素材。 CRは「スカイプレン」の製品名で同社南陽事業所が生産している。CNFは植物の細胞壁の骨格成分であるセルロースをナノメートル単位まで微細化した繊維で、ナノは10億分の1の意。セルロースは植物が空気中の二酸化炭素を吸収することで生成されるため、温室効果ガスの排出削減につながるCNFは、現在使われている炭素主体のゴム補強材の代替材として期待される。 CNFをゴム材料へ混合するプロセスの技術的課題を解決するため、同社は産業用ゴムベルトメーカーのバンドー化学㈱と連携し、2020年度から国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成採択を受けた。 今回開発したスカイプレンの新グレード「SGシリーズ」は、独自技術によりナノレベルでCNFを均一に分散。既にバンドー化学へ伝動ベルト用材料として供給している。