中継ぎエース谷元を中日へ金銭トレードした日ハム方式は間違っていないのか
日ハムがトレード期限ギリギリの31日に谷元圭介(32)を中日へ金銭トレードした移籍の賛否が大きな波紋を広げている。日ハムの公式ツイッターのリツイートといいねは、いずれも1万件を超え、そこに寄せられた声のほとんどは球団への批判だ。 「あり得ない」「意図を説明しろ」「ファン辞める」「FA権を得たら捨てることはいい加減やめたら」「残り試合を消化試合にするつもり?」「せめて交換トレードにできなかったのか」などなど。 谷元は、今季36試合に登板して0勝2敗1S、21ホールドの成績を残している。勝ちパターンで使われる中継ぎエース。中継ぎ転向後、3年連続で50試合以上に登板し、昨年は日本一を支えた。地味な役柄だが、彼がなくては逆転優勝はなかった功労者である。 その谷元を言い方は悪いが金で売り飛ばした。 その冷たい球団の姿勢と、現在5位で、もう後半戦を捨てたのか、というファンの怒りである。 加えて、「卒業」という言葉を使い、今オフには、陽岱鋼を強く引き止めずに巨人へFA移籍、太田泰示を獲得するなど意図のある交換トレードではあったが、2012年MVPの吉川光夫も放出、年俸が高くなった幹部候補でない選手は、どんどん切り捨てていく球団の経営姿勢への堪忍袋の緒が切れたのである。 一方、日ハムファンではない野球ファンからは球団経営上仕方がないという理解の声もある。 メジャーでは、トレード締め切り期限の段階で、優勝の可能性が薄くなったチームがオフにFA権を得る選手を優勝争いに参戦するチームにトレードで売り、代わりに有望な若手を獲得するという図式がある。 今回、レンジャーズが、締め切り数分前にドジャースとの1対3トレードでダルビッシュを放出したが、日ハムは、その日本版を実行したとの見方もある。 谷元は、すでにFA権を取得。もしオフにFAで出ていかれた場合、推定年俸1億円の谷元は、FAのBランクと考えられるため、補償として6000万円の金銭、或いは、4000万円プラス人的補償を受けることができるが、トレードによる金銭トレードで、その6000万円以上のトレードマネーでまとめれば、後半の年俸分とあわせると1億円以上は浮くことになる。先を見据えた一種のリスクマネジメントとも言える。谷元に関しては、地元の中日が獲得に乗り出すのではないか、という噂もあった。