「(PGAツアーで)皆が戦っている様子を見るのは思っていたよりもずっと大変だった」。LIV移籍のジョン・ラームが胸を詰まらせるほど恋しがるカリフォルニアの青い空
ハワイからスタートした24年のPGAツアーは第3戦以降カリフォルニアを中心に西海岸を転戦中。ジ・アメリカン・エキスプレスから来週のジェンシス招待までの5試合を“ウェストコーストスウィング”と呼ぶが、この5連戦に誰よりも強い思い入れを持つのがジョン・ラームだ。昨年700億円超ともいわれる契約金でLIVに移籍した彼が語った「愛しのウェストコーストスウィング」のワケとは?
メキシコ(マヤコバ招待)で3シーズン目をスタートさせたLIVゴルフは今週ラスベガスで今季2戦目を開催している。開幕前のインタビューでラームが語ったのはメンバー資格を剥奪されたPGAツアーへの未練ともとれるセリフ。 「自分は家にいて試合にも出ず、(PGAツアーで)皆が戦っている様子を見るのは思っていたよりもずっと大変だった」 ツアー通算11勝の彼が初優勝を飾ったファーマーズ・インシュランス・オープン(ウェストコーストスウィング第2戦)は愛してやまないサンディエゴのトリーパインズGCが舞台。 初優勝だけでなく21年に自身初のメジャータイトル全米オープンを制覇したのもトリーパインズで、海沿いの美しいコースが好きすぎて妻ケルリーさんにひざまずいてプロポーズしたのも太平洋を眼下に望むコースの丘の上だった。 「僕にとってトリー(パインズ)がどれほど重要かは何度も説明してきました。言葉ではいい尽くせないほど思い入れがあります」 アリゾナ州立大学時代から住んでいるスコッツデールで現在PGAツアー最大のギャラリーを集客するウェストコーストスウィング第4戦WMフェニックスオープンがおこなわれている。 大会前、会場の近くを車で通るたびラームは「今年はプレーする機会がないので間違いなく感傷的になりました。近い将来またあのような(熱狂的な)イベントに参加できることを祈っています」と語った。 昨年はウェストコーストスウィングのジ・アメリカン・エキスプレスとジェネシス招待で優勝。本来なら連覇に挑むはずだったが自らの選択でLIVに移籍したことで連覇の道は閉ざされた。 それでもラームは「(再びPGAツアーでプレーするという)希望がある」。離れてみて改めて長年続くツアーのレガシーとその重みを痛感したようだ。 現在世界ランク3位のラームは連覇がかかるマスターズ他、メジャー大会への出場の可能性を模索しており、そこでポイントを稼ぎゆくゆくはDPワールドツアーの最終戦(ツアーチャンピオンシップ)への出場を目指している。 700億円の契約金を手にしたとき、まさかウェストコーストスウィングの代名詞“カリフォルニアの青い空”が見られないことが心を引き裂かれるほど辛いとは思っていなかっただろう。だが自分がその舞台に立てないことが事実となったいま改めて恋しさが募る。これが大金の代わりに彼が払った代償か!?
川野美佳
【関連記事】
- 早くもLIVゴルフに"ラーム効果"が表れた!? PGAツアーから840億円の電撃移籍後、開幕戦で華麗なデビューを飾る!
- ティーショットやパッティングでターゲットが狙いやすくなる! ”線や柄入りボール”の選び方、使い方。成功率が上がる「アライメントボール」の合わせ方も紹介
- ヨネックスが2024年モデル「EZONE GT」シリーズを発表! 先進カーボン採用で歴代最高の“飛び”を実現。岩井姉妹使用カラーモデルも
- 構えたときワッグルや足をパタパタさせる本当の理由。スムーズに始動するスウィングのコツをシングルが教えてくれた【参上! ゴルファー応援隊】
- ドライバー巧者の吉田泰基がドローやフェード、高低の弾道の打ち分け方を解説。「ボール位置やアドレスを変えても、スウィングは絶対変えてはいけない!」