DV被害経験を持つ人気漫画家の原画をポスターに 12日から「女性に対する暴力をなくす運動」
夫らからの暴力や性犯罪、ストーカーなどの「女性に対する暴力をなくす運動」が12日から始まる。毎年恒例の運動で期間は25日までの2週間。内閣府男女共同参画局では期間中、人気漫画家のキャラクター原画を使ったポスターの配布や、全国主要タワーの紫色ライトアップなどを実施。今年は6月に改正DV防止法と改正ストーカー規制法が成立したこともあり、より積極的な啓発活動を行う。
ポスター配布とライトアップ
ポスターの原画は漫画家・西原理恵子さんの「毎日かあさん」のキャラクターを起用。自らもDV被害の経験を持つ西原さんの漫画のキャラクターを打ち出すことで、DVの主な被害層である20代、30代、40代の女性に、女性への暴力の問題への関心を高めてもらうのが狙い。 今回の起用を受け、西原さんは「暴力を受けているあなた! シェルターに逃げてください!! 子どもと一緒に、今、逃げることが大切です。そうでないと、暴力は子どもに連鎖します」とメッセージを寄せている。
運動初日の12日には、東京タワーや大阪の通天閣など全国約20の主要施設を紫色に染める「パープル・ライトアップ」が行われる。パープルはこの運動のシンボルカラー。ライトアップは他に、さっぽろテレビ塔、横浜マリンタワー、名古屋テレビ塔、京都タワー、明石海峡大橋などでも行なわれる。
まずは「相談を」
今年は6月に改正DV防止法と改正ストーカー規制法が成立。対象となる暴力や行為などの適用範囲が拡大された。配偶者からの暴力をめぐっては、内閣府の調査で、32.9%が「配偶者から暴力を受けた経験がある」と回答。そのうち1割の女性は複数回にわたり暴力を受けている。また、過去5年以内に暴力被害を受けた女性のうち、約4割が「誰にも相談していない」と回答した。 内閣府では、「いま暴力を受けて悩んでいる女性は、抱え込まないで、まずは近くの相談窓口に相談してほしい。もし法の対象外であったとしても適切な支援ができると思う」と呼びかけている。