尊富士を一夜にして変えた照ノ富士からの電話 「とにかく、前に、前に出る相撲が取れた」【大相撲】
◇12日 大相撲九州場所3日目(福岡国際センター) 返り入幕の尊富士(25)=伊勢ケ浜=は輝(高田川)を寄り切り、2勝1敗で白星が先行した。 立ち合いで強く当たって前に出る。これが尊富士の相撲だ。輝を一気に攻めて連敗を回避。「とにかく、前に、前に出る相撲が取れた」と手応えを口にした。 尊富士を一夜にして変えたのは、尊敬する照ノ富士の言葉だった。黒星を喫した2日目の取組後。帰りの車に乗り込んだところで横綱から電話がかかった。 「『この2日間、見てたけど何で当たんないんだ。当たる稽古をしてるんじゃないのか。そういう相撲を取れ』と」 足首のけがで休場しそうだった春場所も、横綱の言葉で110年ぶりの新入幕Vを勝ち取ることができた。「横綱がいない場所ですけど、一人でも多く部屋の力士が元気のいい相撲を取ることで、横綱が次に出る時にいい相撲が取れる。それが弟弟子がやることだと思う」 今場所も「横綱がずっと花道にいると思ってやってます」と横綱への恩返しを力に変えて臨んでいる。
中日スポーツ