赤楚衛二が『Re:リベンジ』で体現する“余裕のなさ”がリアル 錦戸亮の切ない表情も魅力に
海斗(赤楚衛二)が理事長として動き出し、物語としても大きな山場を迎える『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジテレビ系)。第7話は息をするのを忘れるほどの緊迫した展開となった。海斗が進める「心臓血管外科プロジェクト」の行方はどこに、そしてプロジェクトからはずされた郁弥(錦戸亮)の立ち位置に変化は起きるのか。今週も『Re:リベンジ-欲望の果てに-』最新話を試写で観る機会を得たので、放送に先駆けて見どころを紹介していきたい。 【写真】錦戸亮が見せる切ない表情 「心臓血管外科プロジェクト」の1人目の患者である美咲(白山乃愛)の手術が始まった。だが執刀するのは郁弥ではなく、海斗が呼んできた岡田千尋(内田慈)という女医だ。第7話ではこの手術のゆくえと、プロジェクトをめぐった海斗と郁弥の対立が描かれる。 やはり最大の見どころは、ここにきて海斗の顔つきが大きく変化したことだろう。理事長就任、「心臓血管外科プロジェクト」の始動、そして1人目の患者として元恋人・陽月(芳根京子)の妹を救おうと順風満帆の海斗だが、決して余裕を持てているわけではない。こうした姿は、ドラマ序盤のまだ青臭かったころの海斗とは大きく違う。 当時は父との関係がこじれてはいたが、今やそんな親子の確執はかわいいもの。理事長となってからは海斗を引きずりおろしたい者もいれば、利用したい者も現れ、とてもじゃないがかつての海斗のままではいられないといった様子なのだ。余裕を失いながら四苦八苦する表情からは、これまでの海斗とは背負うものの大きさが違うことがひしひしと伝わってくる。
赤楚衛二と対照的に錦戸亮が見せる“切ない表情”にも注目
そして赤楚が表現する“余裕のなさ”があまりにリアル。まるでアドレナリンに支配されて無理に物事を押し進めるかのような異様な勢いを感じさせるものの、表情には余裕のなさが滲み日々擦り減っていく様子も手に取るようにわかるのだ。それでも事態は目まぐるしく動き続け、時には誰もが羨むような輝かしい栄光のすぐ近くに海斗がいるということもまた事実。こうした皮肉めいた構図を第7話の赤楚は生々しく演じてくれる。 その海斗と対比のように存在するのが郁弥だ。美咲の主治医を外され悔しさをあらわにしてもおかしくない中、郁弥は医師として患者を救うことにきちんと向き合えているように見える。少なくとも海斗ほど余裕がなくなり周りが見えなくなっているわけではない。これが郁弥の策略で表に出ない“何か”を画策しているのか、それとも医師としては優秀で患者想いな一面があるのかは今後の展開に委ねられるわけだが……。第7話ではそんな立場にいる郁弥を演じる錦戸の切ない表情が魅力だ。これまでの郁弥とは少し違い、どこか弱々しい印象さえ与える。錦戸から滲み出るうら悲しさは第7話でより顕著となり、郁弥の抱える感情が一筋縄ではいかないことを物語る。 ここにきて海斗と郁弥が見せる表情の変化は、この後の展開がさらに衝撃的なものになることを予感させるに十分だ。『Re:リベンジ-欲望の果てに-』でそれぞれが欲望を追求した果てに待ち受けるものとは、いったいどんなものなのか。
Nana Numoto