職業差別発言で川勝知事 農協関係者に直接面会、謝罪 花博式典あいさつでも
川勝平太知事は6日、新規採用職員への訓示で「職業差別」と受け取れる発言に関し、JA静岡中央会など農業団体関係者らと面会し、直接謝罪した。関係者への取材で分かった。同会などの抗議を受け、川勝知事は5日に発言を撤回していた。 浜松市中央区の浜名湖ガーデンパークで開かれた浜名湖花博2024の開場セレモニーの前に5分程度、面会した。同席した関係者によると、知事は神妙な面持ちで「私の発言で皆さんにご迷惑をかけた。おわび申し上げる」と謝罪。職業を差別する意図がなかったと釈明した。謝罪を受けた同会の鈴木政成会長は「県行政の責任者である知事が農業者を愚弄(ぐろう)した発言。謝罪されても許すことはできない」と強い言葉で非難したという。 鈴木会長は取材に「ひと言『申し訳なかった』で済ませられる問題ではない」と話した。9日に抗議文を県に届ける。 開場セレモニーで実行委会長としてあいさつした知事は冒頭「恥ずかしい発言で、大事にしてきた1次産業従事者の心を傷つけたことを誠に申し訳なく思う」と述べ、その後はあいさつ文を読み上げた。 発言を撤回した5日の記者会見で、知事は「自分の言葉の方がいいと思っていた。世間をお騒がせする事態に反省している」と、事務方が作成した原稿を読まない自身のスタイルを改めることを表明していた。
静岡新聞社