愛犬家のドジャース左腕・ベシア 大谷翔平&デコピンばりの始球式「うちの2匹には無理」と話す理由
【元局アナ青池奈津子のメジャー通信】2年前のこの時期、アレックス・べシア(ドジャース)はプロポーズと、ある準備で忙しかった。もともとは7月のオールスター休暇中に彼女を驚かせる予定だったが、偶然にも妹がその直前にプロポーズを受けた。かぶってしまう…。計画を急きょ数か月後のオフシーズンに変更した。 【画像】愛妻と愛犬ダックスフント2匹と記念撮影するドジャース・ベシア 「それが逆に良かったんだよね。僕らは交際を始めた頃からミニチュア・ダックスフントの写真をよく送り合っていて、付き合って3年ごろには『いずれ一緒に飼いたいね』『婚約したら飼おうか』なんて話をしていた。だから時間ができたことで『指輪だけでなく犬も一緒にプロポーズできる』と思い立てたんだ」 これが、アレックスがかねて憧れていたミニチュア・ロングヘア・ダックスフントのルーファス君を、べシア家で飼うきっかけになったという。 「愛犬自慢をしてほしい」とのリクエストにアレックスが「話、長くなるよ」と笑ったので冗談かと思ったら、まさかのラブストーリー展開。いろんな思いが混ざり合うようで、すごく誇らしそうに当時の様子を振り返ってくれた。 「ケイラと僕は2人とも、飼うなら子犬からがいい、僕らを親として認識してほしいという思いを持っていたから、タイミングもとても大事だった。やっと見つけたルーファスはテネシー州生まれ。生後8週間でサンディエゴの両親の実家に丁寧に届けてもらい、プロポーズの前に自分でピックアップして、イベントコーディネーターが用意してくれた赤い箱に入れたんだ。今では4~5キロあるけど、あの時はまだわずか52センチくらい。本当にかわいかった」 2022年11月18日、ケイラさんはアレックスの妹セリーナさんの婚約パーティーに出席するつもりで、サンディエゴのラホヤビーチに来た。 「彼女は勘がいいから、絶対にバレないようにと婚約パーティーのフライヤーまで作ったんだよ。彼女の両親や親友なども遠方から飛んできてもらい、待機してもらっていた」 細心の注意を払ったかいあって、ケイラさんは全く気づかない。 「最後は妹が『あら、あれは何かしら?』とケイラを振り向かせたところに、僕がバラの花束を持って立っているというシチュエーション。彼女の手を取り、ビーチに備えられた花道とアーチまで一緒に歩いて行ったんだけど、そこでちょうどアーチの下に置かれた箱の中のルーファスが鳴いたんだ。『何かしら?』とのぞいたケイラはもう大泣き。本当に素晴らしいプロポーズを演出することができたよ」 晴れて婚約した2人は、同じブリーダーの元で2か月違いで生まれた同種のロケットもすぐに家族として迎え入れ、今年1月に挙式。べシア家は現在、2人と2匹で幸せに暮らしている。 「愛犬自慢はね、2匹が本当にハッピーな犬だということ。家に帰ったら『パパが帰ってきた!』と僕に会うことをとても喜んでくれるから、どれだけ嫌なことがあっても必ず気分が良くなる。家族っていいなって。ルーファスとロケットは、ケイラと僕に自分たち以外のことをケアする大切さを教えてくれた。僕らの絆を深めてくれた」 この頃、ちょうどデコピンが見事な始球式をしたことが話題で、クラブハウスでもよく会話に登場したのだが、アレックスは愛犬自慢を散々した後で「うちの2匹には無理だね」とバッサリ…。 「ダックスはかなり頑固だから、自分たちのやりたいようにやる。リーシュを外したら遊ぶ時間だ!という認識だから、走り回ると思う」。2匹のダックスフントがグラウンドを駆け回る姿も、きっとかわいいのに。 ☆アレックス・ベシア 1996年4月11日生まれ、28歳。米カリフォルニア州サンディエゴ出身。左投げ左打ち、投手。2018年のMLBドラフト17巡目(全体507位)でマーリンズから指名され、20年7月25日のフィリーズ戦でメジャーデビュー。21年2月にドジャースへトレード移籍。貴重な救援左腕としてブルペンを支え、ワールドシリーズ優勝を果たした今季は自己、チーム最多の67試合に登板して防御率1・76。185センチ、95キロ。
青池 奈津子