【バスケ】B3→B1…チャンスで早速“2番手PG”に昇格した琉球ゴールデンキングスの平良彰吾 「所縁の地」を沸かせた強烈DFと親族孝行
桶谷HC、島根戦でのハッスルで「使わない手はない」と判断
3日前の23日には、アウェーで西地区首位の島根スサノオマジックに61ー98で大敗を喫した琉球。一気に突き放された第3Qから集中力が落ちたようなミスも散見されたが、平良が第4Qから出場し、前線から激しいディフェンスを仕掛けると、終盤はチーム全体が息を吹き返したように活気を取り戻した。平良はオフェンスでも4得点、4アシストを記録した。 島根戦などを念頭に、桶谷大HCは広島戦から平良をメインのローテーションに組み込んだ理由を語った。 「前節に関しては、自分たちの唯一良かったところが彰吾の頑張りでした。ディフェンスでチームを奮い立たせる部分は、使わない手はないと。もちろん(荒川)颯も四苦八苦しながらやってくれていますが、この何試合かの結果からして、彰吾が出るべきだと判断をしました」 ディフェンスの評価ポイントも説明した。 「プレッシャーを掛けて抜かれないところです。僕らは味方だからいいですけど、相手からしたら相当きついと思います。ハンドラーはボールを離したくても離せない。あれはチームにとってすごくプラスになると思います」 琉球からオファーを受けた時を「正直、すごいびっくりして、ちょっと考えられないことが起きているという感覚でした」と振り返る平良。目指していたB1の舞台に立てるチャンスが目の前に現れ、「素直に行きたいと思いました」と言う。 強い決意で移籍したからこそ、プレーの強度は落ちない。「点差が付いてようと、付いてなかろうと、自分が出たらやることは変わらない。こんなにいいチャンスをもらえているので、常に全力を出していかないといけないと思ってやっています」と頼もしいコメントを発した。
親戚も会場に「応援してもらえてうれしい」
両親の故郷である沖縄は、幼少期からよく訪れる場所だった。この日も母親とおばさんが沖縄アリーナの観客席で見守ってくれていたという。 「沖縄に住んだことはないですけど、小さい頃から来ているところです。沖縄アリーナもオフシーズンに観客として見に来たことがあって、そういった場所でプレーできるの本当に嬉しいです。親戚もみんな応援してくれて、喜んでもらえたので、うれしいです」 父の平良勝利さんは沖縄初の男子日本代表であり、沖縄ではレジェンドの一人として知られる。琉球との契約が決まった時には「彰吾らしく、思い切りやってくればいいよ」と声を掛けてもらったという。 期限付き移籍は、11月13日まで。短い期間ではあるが、現在27歳の平良はこの経験を今後のキャリアに生かしていきたいと考えている。 「ここでできたことと、できないことがこれからも見えてくると思う。自信にするところと修正するところ、もっとうまくなるべきところを考えながらやって、自分の成長の糧にしたいです」 琉球は東アジアスーパーリーグ(EASL)の試合も控えており、今後も様々な経験ができそうだ。巡ってきたチャンスをものにし、一人のプロ選手としてさらなる飛躍につなげたい。
長嶺 真輝