昨年の新車販売も23万台超をマークしてぶっちぎりの首位! その魅力に迫る!! ホンダ「N-BOX」大研究
■高速道路で気になった標準モデルの走り 現在、ニッポンの新車市場の40%を占めるのが軽自動車だ。その中で激アツの販売バトルが繰り広げられているのが、N-BOXを頂点とするスーパーハイトワゴン市場。 主なライバルは認証不正で揺れるダイハツのタントを筆頭に、昨年11月にフルチェンしたスズキのスペーシア。SUV感マシマシだが、昨年5月に登場した三菱のデリカミニもこのカテゴリーに入る。 なぜ最激戦区でN-BOXの無双状態は続くのか? 自動車専門誌の幹部が語る。 「軽を普通車(登録車)と同じ品質で開発しているのが強み。試乗すればわかりますが、ライバルは〝軽の味わい〟が見た目や走り、室内から消えていない。 一方、N-BOXは普通車に乗っていた人がハンドルを握っても違和感が少ない。特に3代目は乗り心地を左右するパーツを改良したので、ライバル車では味わえない上質な走りを実現しているのもポイントです」 だが、N-BOXも決して完璧で究極なクルマではない。実際試乗すると、エンジンルームから軽ならではの唸るような音が聞こえてくる。ホンダ推しの標準モデルは高速道路の合流や追い越しでアクセルを踏むと、一拍置いてから加速し、一気に騒々しい音が室内に流れ込んでくる。 もちろん、ターボを備えるカスタムを選べばこの不満は解消されるが、カスタムターボの4WDに魅力的なオプションを全盛りにすると300万円近い価格になってしまう......。 3代目N-BOXの評判をホンダの販売店に聞いた。 「3代目は先代より車両価格をアップしていますが、お客さまからは、『室内の質感が下がったんじゃない?』とか、『カスタムは、先代のほうが見栄えがいいね』というご意見をいただきます」 販売店の取材で驚いたのは、在庫数は少ないというが、新型が出た現在も、まだ2代目N-BOXを売っている店舗がチョイチョイあったこと。 別の販売店のセールス担当者はこんな話をしてくれた。 「値引きや用品サービスを頑張れるからだとは思いますが、新旧見比べた上で2代目を購入されるお客さまも」 ライバルのスペーシアカスタムは日本市場の売れ線である、ゴッリゴリのオラオラ顔が評判を呼んでいる。〝絶対王者〟N-BOXの今後の売れ行きに注目したい。 取材・文・撮影/週プレ自動車班 撮影/望月浩彦