東成で「100円商店街」にぎわう。各店舗が独自サービス/大阪
大阪市東成区の今里新道筋商店街など隣接する6つの商店街と大阪商工会議所が共催する「東成しんみちロード100円商店街」がこのほど開かれ、多くの買い物客でにぎわった。100円商店街は各店自慢の商品を格安の100円で販売するもので、ご当地で開かれるのは、15回目。すでに恒例行事となっているため、人気店には開店前から整然と行列ができるなど、顧客も賢くショッピングを楽しんでいた。 この日の100円商店街に参加した店舗は、6商店街の合計112店舗。買い物客は大きなチラシを開いて確認しながら、お目当ての店へ。サンマ開き、やきめし、沖縄ドーナツ3個、夏の苗3本、せっけん2個などが、いずれも100円。理髪店では、正午までのタイムサービスで、丸刈りが100円に。初々しい丸刈り頭になった若い男性は「暑くなったので、丸刈りにしてさっぱりしようと来店したら、100円ですと言われて、ラッキーでした」と、喜んでいた。
涼を呼ぶ金魚も袋入りで100円
15回目の開催だけに、店舗も工夫を凝らす。ペット店では、金魚をビニール袋に入れ、店頭でつるして100円で販売。涼を呼ぶ風情が大人気だった。店主は「通常は金魚の酸素が不足しないよう、ビニール袋に入れたままでは販売しませんが、きょうは金魚をすぐに自宅へ連れて帰ってもらえるので、大丈夫」と、応対に追われていた。 娘にせまがれ金魚を買い求めた父親の手には、大きな袋が。「おもち、赤飯、かやくご飯、マフィンにプリンを買って、かき氷も食べました。全部100円です」と、満足げな表情だった。100円商品にとらわれずに、自店の特色を生かしたセールを考案して展開する店舗も登場。靴店ではシューズやサンダルを山積みし、「1足でも2足でも1500円」と、景気のいい掛け声で呼び込んでいた。 福村悟・今里新道筋商店街理事長は「100円商店街を年3、4回開催していますが、1回当たり1万5千人から2万人の人出があります。商店街の対面販売の良さを知っていただく絶好のチャンス。各店舗が独自のサービスに知恵を絞り、普段の商店街にもにぎわいを取り戻す努力を続けています」と話す。テーマパークと同様、リピーターをいかにして増やすかが、定着した100円商店街の次の課題になりそうだ。詳しい問い合わせは大阪商工会議所流通・サービス産業部流通担当(06・6944・6440)まで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)