甥っ子に貸したらボロボロの廃車で返ってきたリトルカブ バイク好きの本気修理と“思い”に「なんか涙出ちゃう」「思わず全部観てしまった」
キーシリンダーの修理
部品を注文している間に、キーシリンダーを修理していきます。鍵自体はそれほどすり減っておらず、タンクやヘルメットロック、ハンドルロックはスムーズに動きます。 これらの条件からメインのキーシリンダーだけが悪いと判断し、ヘッドライト側から分解して外していきます。 このリトルカブは1つの鍵でタンク、ヘルメットロック、ハンドルロックまで作動しているため、もし交換するとなると大掛かりな作業になってしまうとのこと。なんとか今のものを復活させるため、分解を試みます。 途中何回が指先を負傷しながら分解作業を継続。それでも素手でやるのは、素手でないと力の加減が分からないからということです。 なんとか分解して、鍵の状態を確認。キーのプレートがすり減っているため、抜けてしまうと判断します。 交換のために出してきたのは、廃車になったカブから外してあったプレートたち。バイク屋さんじゃないのに、こんなにパーツを持っていることに驚きです。 1つずつ地味に組み合わせて行った結果、1時間30分ほど経過したあたりで、フィットするプレートを発見。ONもOFFもできるようになったので、パーツの錆を落とし、外したときと逆の順序で戻していきます。 ヘッドライトを戻して動作確認をしたら、鍵周りは順調に作動。(2)の問題はクリアできました。
前後タイヤの交換
他の作業を進めやすくするために、先にフロントタイヤを交換します。こちらは2020年のものでしたが、見えない部分が錆びた状態。錆を落とし、タイヤ、チューブ、リムバンドを新品に交換します。 タイヤを取り付ける前に確認したところ、ブレーキシューが薄すぎるので交換することに。「スピードメーターギアは大丈夫のような感じがします」と話します。 ブレーキが届くのを待つ間に、フロントキャリアが付いていた跡をきれいにしていきます。コンパウンドで汚れを落とし、雨水が入らないようにキャップボルトを付けます。 反対側もサクッと交換……と思ったら問題発生。穴の中に折れたボルトが残っているのです。考え出したのは、家具を買ったときに付いてきた六角の棒を溶接して回す方法。棒を細くし、穴の周りを保護して溶接してみます。 何回か繰り返してもうまくいかず、ドリルで穴をあける方法に変更。こちらもうまくいかず、溶接を盛りまくって外すことに成功しました。 摘出に成功したひろくんさんはうれしそう。作業をしながら「『こんなボルトくらいほっとけばいいじゃん』という人もいますけれどね……」と話し出します。「ボルトが奥に残っていてもバイク的には問題ないけれど、オーナーさんの気持ち的に奥歯に何か詰まったような感じになる。どちらかというと、オーナーさんの気持ちを修理したい」と続けます。 周りがきれいになったらステーの錆が目につくようになったので、外してサンドブラストをかけ、手入れをしていきます。ステーを付ける所の塗装剥がれが気になるため、塗料を用意してタッチアップ。その他の剥がれた所も塗っていきます。 後日ブレーキが届いたので動きを確認し、周りの汚れを落として付けていきます。ホイールを元に戻して前輪周辺のメンテナンス完了です 後輪のタイヤを外してきました。1991年のタイヤは応急処置的に付けたものと推測し、問答無用に交換します。スプロケットが異常に錆びているので確認したら、なぜかスタンダードカブの41丁のスプロケットが付いていました(リトルカブは39丁)。 チェーンも錆々なのでこちらも交換。ダンパーゴムやベアリングはきれい、ブレーキは良さそうですがアームが動かないので中のグリスアップが必要そうです。 タイヤを交換しようとしたら、酢昆布のような謎の匂いに苦しめられることに。リムバンドと錆が一体化した状態でしたが、こちらもはがしていきます。 錆を磨いてリムバンド、チューブ、タイヤを交換します。スプロケットを待つ間に確認した結果、エンジンの問題点は(1)圧縮高め、(2)ゴロゴロ音が気になる、(3)かかるけど異音&止まる、ということが分かりました。 純正のスプロケットは注文しても届かないので、別メーカーのものを使うことにします。古いものを外して、新しいものに交換し、車体に戻していきます。