【高校野球】旭川実の右腕・田中稜真が151㌔マーク…兄のロッテ・楓基の高校時代最速超えも「兄がまだ上」
◆高校野球春季北海道大会 ▽1回戦 旭川実5―3札幌大谷(23日・札幌円山) 1回戦3試合が行われた。旭川実はプロ注目右腕・田中稜真投手(3年)が自己最速151キロをマークして8回1安打無失点と好投。札幌大谷に逆転勝ちし、春道大会6年ぶりの勝利を手にした。駒大苫小牧は、9番・沼島魁中堅手(3年)が新基準バットで道大会初本塁打を放つなど打線がつながり、札幌第一に7回コールド勝ち。春連覇を目指す北海は、延長10回タイブレークの末に帯広大谷を退けた。 *** 旭川実・田中が“兄超え”の剛球で逆転勝利を呼び込んだ。3点ビハインドの2回無死満塁。2番手でマウンドに上がった右腕は1番打者を一邪飛に打ち取ると、2番には自己最速を3キロ更新する151キロ直球を投じて二ゴロ。3番も中飛に打ち取りピンチを脱した。ロッテでプレーする次兄・楓基投手(20)の高校時代の最速を1キロ上回り「スピードは勝てても、質は気になるところ。野球人としては兄がまだ上のところにいる」と謙虚に振り返った。 昨秋までの最速は147キロ。オフは1日7食の食トレで体づくりに励み、球速は早くも春の段階で大台を突破した。食べる量だけでなく「完投」を意識して長兄・琢真さん(24)から栄養学を学び、質にもこだわってきた。春、秋の道大会期間中は札幌に滞在するが、昨秋の道大会までは「何も考えず食べたいものを食べていた」。2日前から始まったホテル生活では、果物や消化に良い食べ物を多く摂取。この日は予定よりも早い登板で「後半は質が落ちた」と言いながらも、自慢のスタミナで最後まで得点は与えなかった。 NPB10球団のスカウトが道内高校生NO1右腕を視察した。3人体制で視察した巨人・青木高広スカウトは「日に日にレベルが上がっていて、真っすぐの伸びも良くなっている。元からスライダーもいいけど、さらにキレが良くなってきた」と評価した。 最大目標は、兄が果たせなかった夏の甲子園出場。178センチ右腕は「夏につながる戦い方をして、絶対に勝ちにいく」と言葉に力を込めた。次戦の相手は北海。準優勝した2006年以来の4強進出を目指し、3季連続道大会優勝中の王者に挑む。 (島山 知房) 〇…駒大苫小牧は札幌第一に11-2(7回コールド)。沼島が低反発の新基準バットで道大会初アーチを描き、春道大会5年ぶりの勝利に貢献した。4点リードの2回。無死から内角高め直球を振り抜くと打球はレフトポールを直撃。公式戦初本塁打に右拳を握り「うれしかったです」と笑顔。同校が夏の甲子園3年連続決勝進出を果たした06年生まれ。地元・苫小牧出身の背番号8は「自分たちが甲子園に行って優勝したい」と意気込んでいた。 〇…北海は帯広大谷に5-4。王者が苦しみながらも初戦を突破した。2点リードの9回、同点に追いつかれ、タイブレークに突入。10回は犠打と申告敬遠で1死満塁とし、1番・片岡誠亮中堅手(3年)が左前にサヨナラ打を放ち、試合を決めた。今春は地区予選から投手陣を中心に下級生の活躍が目立っており、片岡は「3年生で試合を決めるように平川(監督)先生から言われていた。決められて良かった」と胸をなで下ろした。
報知新聞社