カブスが108年ぶり“世界一”へ逆王手もチャップマンの酷使に不安?!
メジャーリーグのワールドシリーズ第6戦が1日(日本時間2日)クリーブランドのプログレッシブ・フィールドで行われカブスが、インディアンズを9-3で下して連勝、対戦成績を3勝3敗にして逆王手をかけた。 “ヤギの呪い”をかけられて以来、108年間遠ざかっていたワールドチャンピオンに、あと1勝で手が届くところにきたが、不安な要素が。 この日は、ラッセルの満塁弾を含む6打点の活躍で、序盤から主導権を握ったが、5点差があったにもかかわらずに7回途中から、また守護神のチャップマンを投入したのだ。30日のゲームでも、7回一死二塁の場面から投入。結局、最後まで投げさせて1点差を守りきったが、チャップマンは42球を投げた。そしてこの日も、7回二死一、二塁のピンチを迎えると、7-2のスコアだったにもかかわらず、3番のリンドアの打席で、またチャップマンがリリーフマウンドへ上がった。 一塁ゴロに打ち取り、チャレンジの末ピンチを脱したが、チャップマンは一塁のベースカバーに入った際に右足首をひねった。周囲をヒヤッとさせたが、4番のナポリから始まる8回も続投。そして9回に味方打線がリゾの2ランで追加点を奪い、9-2とさらに点差を広げたにもかかわらず、9回もチャップマンが3イニング目に突入した。先頭に四球を出したところで、明日の決戦に備えて降板したが、試合後はこの不可解な9回の続投や、守護神の酷使にメディアの質問が集中した。 まず試合終了直後のベンチ前のフラッシュインタビューでも、カブスのマドン監督は、「チャップマンは、とても強く若い男性(28歳)。彼とは明日話をするが、明日も大丈夫だと思う」と語り、7回途中からの起用理由には、「インディアンス打線の中心をアウトにするために」と答えた。 公式の監督会見でも、チャップマンの起用法について再度、質問が集まった。 「(7回途中からの起用は?)打線の中軸との対戦が来たから。我々はあの場面を抑えなければ負けていたかもしれない。そしたら明日の試合はない。9回にも打者1人に投げさせた。(リゾの本塁打の後)次の投手の準備ができていなかったからだ。16球と20球では、明日への影響もそれほど違わない。彼は今日も素晴らしかった」 リゾの2ランで7点差となったが、予期せぬ追加点で次のストロップのウォーミングアップが間に合っていなかったというのだ。マドン監督は、9回のストレートの四球に要したチャップマンの4球は、明日の登板への影響はないと断言したが、42球を投げて、中1日しかなくしかも回跨ぎで20球を投げた影響は「ない」とはいえないだろう。ワールドシリーズ史上最速となる167キロをマークするなど、平均速度が160キロを超える“超全力投球派”のチャップマンだからこそ、なおさら連日の酷使への不安は残る。疲労が残れば、当然そのスピードボールの威力は失せる。 勝った方がワールドチャンピオンとなる第7戦の先発は、インディアンズがコリー・クルバーで、カブスがカイル・ヘンドリックス。カブスのマドン監督は、展開次第では当然、守護神チャップマンのロングリリーフ起用というカードを切る考えのようだが、108年ぶりの頂点へ、その采配とチャップマンの出来がキーポイントになりそうだ。