「正しい」よりも「楽しい」がポイント…発達障害の子の会話力を育てるコツ
いつの時代も、会話によるコミュニケーションは重要です。しかし、コミュニケーションに困難を抱え、学校でうまく会話ができずに悩んでいる発達障害の子がたくさんいます。相手の受け答えを聞かずに熱弁をふるってしまったり、相手の話を最後まで聞けなかったり……。 【画像】死刑囚が「アイマスク」をするヤバすぎる理由 発達障害の子は、ほかの多くの子とは異なる、ユニークなコミュニケーションのスタイルをとっています。彼らに合った場面で、同じ波長の仲間となら、気持ちよく話ができることもあります。ですから、「うまく話すことより、楽しく話すこと」を目標にしてサポートしたいものです。 ここでは、『発達障害の子の「会話力」を楽しく育てる本』(藤野博監修、講談社刊)のエッセンスを、全8回にわたって紹介。発達科学の知見に基づきながら、発達障害の子が楽しく会話力を伸ばしていくためのヒントを探っていきましょう。今回は、子どもの個性を活かしながら会話力を育てるコツを、具体的にご紹介します。 発達障害の子の「会話力」を楽しく育てる 第5回
大人が子どもとの会話を楽しむことが大事
子どもの会話力を育てるには、まわりの大人が「正しい話し方」を子どもに教えることよりも、その子の発想を受け止め、子どもとの会話を楽しむことからはじめましょう。会話を楽しみながら、子どものことを少しずつ理解していってください。具体的には、以下のようなステップに沿って進めていきましょう。 (1)子どもの話し方を否定しない 子どもをよく観察して、その子の特徴を知ることからスタート。ちょっと変わった話し方をしていても、頭ごなしに否定しない。 (2)子どもとの会話を楽しむ 子どもを一般的な話し方に近づけようとするのではなく、その子独特の発想をまずは受け止める。そして苦手な面をサポートしながら、子どもとの会話を楽しむ。そうしているうちに、子どもの特徴が少しずつわかってくる。その子に伝わりやすい言い方なども身についていく。 (3)本人は自分の力で成長していく サポートを受け、自分らしい話し方で会話を楽しめれば、理解できることが増え、会話への意欲も強くなる。本人が自分で話し方や聞き方を考え、試行錯誤するようになる。 ・言葉が身についていく ・わかることが増える ・気持ち(意欲)もついてくる 発達障害の子は、人から指示されたやり方に合わせること、まわりの子に合わせることは苦手ですが、自分なりに推論して、自分のやり方を変えていくことは十分にできます。その子らしいやり方を活かすほうが、会話力は伸びやすいでしょう。