NHK放送センターの外観

やはりここに来て、動きが出てきたようだ。故ジャニー喜多川氏の性加害問題を受けて、旧ジャニーズ事務所のタレントの番組出演を差し止めていたNHKが、ついに起用を再開することになったという。すでに「NHK紅白歌合戦」に出場オファーしているとの報道もある。昨年、〝旧ジャニ勢〟ゼロで視聴率にも少なからず影響が出ただけに、復活を目指す紅白も右往左往している。 【写真】〝旧ジャニ勢〟ゼロで乗り切った昨年の紅白だったが… NHKが昨年9月に旧ジャニ勢の新規起用を停止してから1年以上がすぎた。紅白の出場組が固まるこの時期での再開という判断に、NHKの思惑が透けてみえる。 布石はあった。稲葉延雄会長は9月の定例会見で、旧ジャニーズからマネジメント業務などを引き継いだ「スタート・エンターテイメント」社のタレントの起用について「総括的に判断していい時期を迎えつつある」と発言していたのだ。 「被害者補償と再発防止策の進捗具合が出演再開の条件でしたが、稲葉会長は『かなり進んでいるのではないか』との認識を示したのです。TOBEに移れば出演できるのに、スタート社は出演できないのは整合性が取れませんし。実際、NHKには『なぜスタート社のタレントを出演させないのか』というクレームも多いそうです」とスポーツ紙記者は話す。 この時期に出演再開を決定することは、紅白を念頭に置いたものであることは言うまでもない。一部メディアはすでにオファー済みであるとも報じている。音楽関係者はこう話す。 「昨年の紅白は第1部が関東地区で29・0％（ビデオリサーチ調べ、前年比2・2ポイント減）で初めて30％の大台を下回ることになりました。第2部も前年に比べて3・4ポイント減の31・9％と、2部制となった1989年以降で過去最低でした。昨年は〝旧ジャニ勢〟の代わりにK―POPも含めて、いわゆるボーイズグループが多く出場しました。しかし数字を落としたということは、やはり〝旧ジャニ勢〟ゼロは少なからず影響を与えているということです」 この音楽関係者はこうも話す。

「昨年は〝旧ジャニ勢〟が出ないこともあって演出にもさまざまな趣向を凝らしていました。それでも紅白離れはとめられない。しかし結局最後は〝旧ジャニ勢〟頼みになってしまうのでしょうか。スタッフの中にも期待感と徒労感が入り交じっています」