父は元プロ野球選手、自身もドラフト候補だった競輪ルーキー 本デビュー直前の大ケガで3か月遅れのスタート切る
佐世保競輪のモーニング「CTC杯(F2)」が27日に幕を開ける。1Rチャレンジ予選を走る高野信元(25歳・愛知=125期)に話を聞いた。 7月25日の地元・豊橋で本デビューする予定だったが、直前のバンク練習中に大怪我を負い1か月ほど入院し、復帰まで3か月もの時間を要した。 「先頭を走っていてフェンスに突っ込んでしまいました。後ろの人たちは避けて無事だったので良かったですが…」 怪我は背骨5本、あばら(肋骨)3本、胸骨の骨折と右肩の肩鎖関節脱臼。さらに肺気胸に肺挫傷と重症だった。 10月富山でようやく本デビューを迎えたが、結果は6、6、1着。最終日に初白星を挙げたものの決して万全な状態とはいえず、ケガの影響が残っているのは明らかだった。それでも富山を復帰戦に設定したのには理由があった。 「出走本数の都合があったんです。まだ腰がくっついていない状態だったから迷いましたけど、金子(貴志)さんから『練習で2、3本もがくより、レースをひとつ走った方が経験になるよ』と言っていただき走ろうと決めました。誘導のスピードが3倍早く感じましたけど、次につながったし富山を走っておいてよかったです」 次につながった、とは直後に走った2場所のこと。松阪では2勝を挙げ、豊橋では初めて決勝まで勝ち上がった。 「回転、トップスピードの出力など力はかなり落ちましたが、もう7割方は戻りました。豊橋よりは良くなっていると思うし、しっかり頑張ります!」 元プロ野球選手の父(高野忍氏、読売ジャイアンツ)を持ち、大学時代は自らもドラフト候補に名前が上がったほどでポテンシャルは極めて高い。同期たちは7月から意気揚々とスタートを切ったが、経験さえ積めばあっという間に空いた時間を埋めることができるだろう。遅まきながら、これからが本格的なスタートだ。(netkeirin特派員)