三重の社長は日本一若い 平均59.4歳、全国より1.1歳若く
帝国データバンク調べ
㈱帝国データバンク(本社=東京・新宿)はこのほど、全国「社長年齢」分析調査(2023年)の結果を発表した。同社四日市支店(服部光次支店長)は県内企業について分析調査した。三重県の社長の平均年齢は全国で最も若い59.4歳で、7年連続で全国一若いという結果になった。しかし前年を0.3歳上回って過去最高齢を更新。社長が交代した割合(社長交代率)は3.42%で前年から後退し、全国平均の3.80%を大きく下回った。
交代、全国平均は68.7歳
帝国データバンクによると、全国の社長平均年齢は60.5歳(前年比0.1歳上昇)で、統計を取り始めた1990年から33年連続で上昇し続けている。三重県でも2012(平成24)年から12年連続で上昇となった。 全国の社長交代率は3.80%(前年は3.82%)と横ばいで、14年連続で3%台が続いている。 三重県の社長交代率3.42%は、前年を0.1ポイント下回り、全国でも低位。同支店では「社長交代率の低迷は、社長の世代交代が鈍化することにつながり、社長の高齢化が進行している証左」と分析する。 社長が交代する際の年齢の平均は、全国では68.7歳、社長交代後に就任する新社長の平均年齢は52.5歳で、16.2歳の若返り。三重県では社長が交代する際の年齢は68.5歳と全国平均並み、社長交代後に就任する新社長の平均年齢は51.3歳と若干若く、17.2歳の若返りがみられた。 社長の年齢別構成比は、全国では「50歳以上」が81.0%で、50歳以上の割合は22(令和4)年に初めて8割を超えてから毎年上昇している。50歳以上のうち、50代は29.2%、60代は26.6%、70代は19.9%、80代以上は5.3%。他方、40代は15.7%、30代は2.9%、30歳未満は0.2%で、「40歳未満」は3.1%、中でも「30歳未満」はわずか0.2%だった。上場企業の社長平均年齢は58.6歳で、20代の社長は2人だった。 三重県の社長の年齢別構成比は、「50歳以上」が80.0%と初めて8割に達した。18(平成30)年時点では75.0%で、5年で5.0ポイントの上昇となった。50歳以上のうち、50代は32.1%、60代は27.3%、70代は16.3%、80代以上は4.3%。他方、40代は16.5%、30代は3.3%、30歳未満は0.2%で、「40歳未満」は3.5%と全国平均を若干上回り、「30歳未満」は全国と同じ0.2%だった。 業種別では、全国と三重県の傾向は類似。全国では最高は「不動産」の62.6歳。若手起業家が多いIT産業などを含む「サービス」が59.1歳で最も低かった。三重県でも「不動産」は62.7歳と最高。最も若いのは、農林水産や金融を含む「その他」の58.1歳で、次いで独立起業や同族での世代交代が比較的多い「建設業」の58.2歳。「サービス業」の58.3歳が続いた。
円滑な事業継承の表れ
帝国データバンクでは三重県の社長年齢の低さについて「23年時点での後継者不在率が30.2%と全国で最も低い点も含め、円滑な事業承継の結果が表れている」と分析。全国的な平均年齢の高さについて「実際に、2023年度の後継者難倒産は586件となり過去最高を大幅に更新し、そのうち約4割は『経営者の病気、死亡』が原因」と警鐘を鳴らしている。 都道府県別では「東高西低」の傾向があり、社長平均年齢が最も高いのは秋田県で、62.5歳だった。