ロレックス、2024年注目の新作を総ざらい!──Watches and Wonders Geneva 2024
最大の注目を集めたのは新作「GMTマスター II」だった。 腕時計業界の最もビッグな祭典「Watches and Wonders Geneva(ウォッチズ & ワンダーズ・ジュネーブ)」が今年もやってきた。毎年、見本市最大の関心を集めるのがロレックスである。ロレックスの趣向を凝らした数階建てのブースは、ショーのメインエントランスに位置している。そのため、カプチーノを片手にした参加者たちは開場と同時にブースに殺到し、ガラスケースに並べられた新作時計の写真をこぞって撮影していく。それは今年も例外ではなかったが、誰もが我先にと実物を撮影しようと競っていた時計があった。その注目のアイテムを、ロレックスが2024年に発表するエキサイティングな新作の数々とともに簡単に紹介したい。 【写真を見る】GMTマスター II、デイデイト、1908……ロレックス注目の新作をチェック! ■昨年のヒット作「GMTマスター II」がカジュアルに 昨年のWatches and Wonders Genevaで私が最も気に入った腕時計の一つが、「GMTマスター II」のゴールドバージョンにブラック&グレーのベゼルを組み合わせたものだった。どうやらロレックスもこのピースを気に入ったようで、同様のカラーコンビネーションをより落ち着いたステンレススティール製ケースで復活させた。ロレックスでは、何もかもが数年前から計画されているように感じられる。昨年のゴールドケースは高級感に満ちていたが、そのスペシャルな感覚を受け継いだスティール製の時計が誕生したのだ。我々も、そろそろこのカラーコンビネーションにふさわしいニックネームをつけたいところだ。 今年、特に裕福な購買層に向けられたアイテムが目立ったロレックスとしては、このドレスダウンした「GMT」は異例とも言える発表だ。 ■ゴージャスな「コスモグラフ デイトナ」が登場 ロレックスはツール的なスポーツウォッチで有名だが、近年は遊び心もあることを証明している。ブランドが2012年に初めて発表したレインボーカラーの「デイトナ」は、コレクターおよび時計業界をカラフルなジェムストーンに夢中にさせた。また、ジグソーパズルをモチーフにした「デイデイト」のような変わり種も昨年のデビュー以来、著名なコレクターを魅了してきた。今年もロレックスは、レーストラックで実際に使用するよりも表彰台で着用するのにふさわしい「デイトナ」を複数発表した。 今年、ロレックスはストーンダイヤルの「デイトナ」に2つの新バージョンをリリースする。これらは黒と白のマザーオブパールのコントラストを巧みに取り入れ絶大な人気を誇った「パンダ」と「逆パンダ」のダイヤル構成を再現している。ベゼルには36個のダイヤモンドが施され、さらに8個のダイヤモンドがインデックスに使用されている。 ■個人的ウィッシュリストのトップは「1908」 昨年、ロレックスは「1908」と呼ばれる新シリーズを発表した。このドレスウォッチはこれまでホワイトゴールドかイエローゴールドのみの展開で、文字盤は黒か白のみだった。ロジャー・フェデラーがメットガラで着用していたのを見たことがあるかもしれないが、正直に言って、私がロレックスに求めていたタイプのデザインでは必ずしもなかった。「サブマリーナー」や「GMT」、「エクスプローラー」、「デイトナ」といった歴史あるスポーツウォッチの決定版で確固たる地位を築いたブランド、というのが私のロレックスに対する認識だったからである。 あれから1年後、ロレックスは新色の発表で私をすっかり「1908」ファンへと転向させてしまった。最新バージョンは、タキシードとともに着用するドレスウォッチ特有の堅さを緩めるような、涼しいアイスブルーの文字盤が魅力だ。その文字盤も昨年は滑らかだったが、今年はライスグレインモチーフの浮き彫りが輝きを放つ仕様となっている。ケースに用いられたプラチナは、ロレックスがこの色の文字盤と組み合わせる唯一の素材である。日付表示窓に絵文字を入れるのも、ストーンダイヤルの「デイトナ」を発表するのも、ドレスウォッチをアイスブルーで刷新するのも、新しいロレックスのあり方なのだ。 ■人気のスポーツウォッチがゴールドに 2024年、ロレックスは「ディープシー」と2種類の「スカイドゥエラー」をゴールドで刷新する。まずは「ディープシー」から。この時計は「シードゥエラー」のさらにスポーティーな弟分として、2008年に発表された。ダイバーが着用したまま、かつてないほど深く潜れるようにデザインされたのが「ディープシー」だ。2014年には、ジェームズ・キャメロンがマリアナ海溝で行った水深10,908mでの潜水を記念した特別モデルが発表された。水深10,000mを潜る人はそう多くないだろうが、この新作ゴールドバージョンがInstagramで10,000いいね!を獲得する可能性は高いだろう。 「スカイドゥエラー」もオールゴールドで生まれ変わった。ローズゴールドに黒い文字盤のバージョンと、イエローゴールドに白い文字盤の2つのバージョンが発表されている。「ディープシー」とは異なり、「スカイドゥエラー」はこれまでにもゴールドバージョンがリリースされたことのある、生まれつきのラグジュアリー感が漂うモデルだ。 ■「デイデイト」に賑やかな複数のバージョンが登場 絵文字の日付表示こそ見当たらないが、ロレックスは同ブランドのクラシックである「デイデイト」をさらに楽しいものにした。私のお気に入りは、昨年「スカイドゥエラー」で初めて採用されたアークティックブルーの文字盤を備えたバージョンで、ベゼルにダイヤモンドがちりばめられたものだ。もう一つは「デイトナ」と同じく文字盤に宝石を使用したもので、マザーオブパールの文字盤が雲のようなニュアンスある色彩を演出している。ロレックスはこのマザーオブパールを、プレスリリースで「カキの殻で最も古く高貴な部分から抽出されたもの」と述べている。 もう2つの「デイデイト」は、より控えめなバージョンとなっている。一つはラッカー仕上げのホワイトフェイス、もう一つはブラックのオンブレダイヤルで、エッジに向かって暗くなるグラデーションがかかっている。 From GQ.COM by Cam Wolf Photography by Thomas Chene Translated and Adapted by Yuzuru Todayama