横浜F・マリノスVお預けのJリーグ佳境優勝争い見られずサポーターを混乱させたDAZN視聴障害のなぜ?
スマートフォンの画面に映し出されたアナウンスに、Jリーグの村井満チェアマンは思わず目を疑った。インターネットの有料動画配信サービス、DAZN(ダ・ゾーン)へリンクした直後だった。 「予期せぬ問題が発生しております。技術者チームが問題解決に向けて取り組んでおりますので、時間をおいて再度お試しください」 11月30日に行われた明治安田生命J1リーグ第33節。午後2時に全9試合がいっせいにキックオフされたなかで、村井チェアマンは川崎フロンターレのホーム、等々力陸上競技場を訪れていた。 敵地へ乗り込んできた横浜F・マリノスがフロンターレに勝利し、味の素スタジアムで行われている一戦でFC東京が浦和レッズに敗れれば、最終節を残して15年ぶりとなるマリノスのリーグ優勝が決まる。直後にピッチ上で行われる表彰式でシャーレを贈呈する役目を務めるために、歴代のチェアマンは毎年終盤戦になると、リーグ優勝が決まる可能性のあるスタジアムへ駆けつける。 「ただ、他のスタジアムの試合も非常に気になっていたので、チェックしようとしたら『予期せぬ問題が――』というのが出ました。なので、試合開始直後から私の方でも確認していました」 こう振り返る村井チェアマンが自身のスマホ越しに確認したのは、DAZNに発生していた大規模な視聴障害だった。リーグ優勝を左右する2試合だけでなく、J1残留をかけたチームが関わっている6試合も含めて、同時間帯に行われている9試合すべてが視聴不可能になっていた。 この日はJ3でもひとつだけ、カターレ富山対FC東京U-23も午後2時のキックオフで行われていたが、問題なく視聴できた。4分割された画面上で、同時間帯に開催されているJ1を含めた複数の試合を同時視聴できるJ.ZONE PLUS(Jゾーンプラス)というプログラムも、通常通りに視聴できることを村井チェアマンはすぐに確認している。 つまり、J1の試合を単独で視聴できるコンテンツだけが、前半のキックオフ前からダウンしている。DAZNが有料のライブ配信サービスを開始してから3年目で、初めて発生した大規模なトラブル。シーズン終盤の重要な一戦をリアルタイムで視聴できない状況に、ネット上ではファンやサポーターの「早く解決してほしい」といった悲鳴や、あるいは「補償はどうなる」といった怒りの声が飛び交った。