博多座“暴れん坊将軍”に出演、辰巳ゆうとさん「九州のしょうゆが好き。家に常に置いている」
「演歌第7世代」と呼ばれる若手演歌歌手の辰巳ゆうとさん(26)。今年は8枚目のシングル「迷宮のマリア」をリリースし、福岡でもコンサートを開くなど、高い歌唱力を武器に積極的な活動を続けています。その原点は、デビュー前に東京で1年間続けた「ストリートライブ」にあったようです。 【写真】詐欺と闇バイトを〝成敗〟しようと木刀を構える俳優の松平健さん -「迷宮のマリア」はどんな曲ですか。 ★辰巳 情熱的なラブソングで、自然に口ずさめる曲です。何げなく聴いていただき、ぜひ頭の片隅に残していただければ。 -カップリング曲やジャケット写真が異なる6タイプある。 ★辰巳 カップリング曲が多いとオリジナル曲が増えるのがうれしい。歌の幅も広げてくれます。A面と全く違う曲に挑戦することで皆さんがどんな曲が好きなのかが分かる。それぞれ歌詞の世界観がドラマチックで、一つのドラマとして聴いていただきたいです。 -動画の配信も積極的ですね。 ★辰巳 コロナ禍の時に始めて、最近ようやく更新できるようになりました。普段お見せできないプライベートや舞台裏をお届けするのは僕自身もうれしい。表舞台以外でもつながれる場所ですね。今後もいろんな動画を見てもらいたいと思います。 -演歌歌手になるきっかけは? ★辰巳 赤ん坊の頃から祖父母にカラオケ喫茶に連れられ、物心がついた時には自分でマイクを持ってステージで演歌や歌謡曲を歌っていました。(福岡市出身の)氷川きよしさんが大好きで「あんなお兄ちゃんになりたい」と歌手を目指し、同じ事務所に入りました。 -デビューに向けてかなり苦労されたとか。 ★辰巳 上京後、演歌のストリートライブを行うことになりました。最初の3カ月間は誰にも聴いてもらえない。歌に力がないのか、と現実を突き付けられた気持ちで毎日つらかったです。どうしたら聴いてもらえるか試行錯誤しました。初めて足を止めてくださった方がいて、すごくうれしかった。歌ってて良かったと思いました。1年間続けて最終的には30人近くの方が集まりました。ストリートライブがあったから今の自分があると思います。 -お客さんを引き付ける声をどう工夫していますか。 ★辰巳 曲に合った声の出し方があると思っています。メロディー感とか静けさとかを自分の中で調整し、伴奏と一つになって声を乗せてお届けしています。 -演歌の魅力をどう感じていますか。 ★辰巳 僕らの世代で演歌を聴く人は少ないですが、言葉一つ一つに趣があります。間接的な表現で、主人公の心情や周りの景色を思い浮かばせる日本語の美しさですね。メロディーも自然や生活の音を表現しています。 -演歌第7世代と呼ばれます。 ★辰巳 先輩方はお一人お一人で自分の道を切り開いたのですが、僕らの世代は一人では難しい。みんなで協力しながら演歌を盛り上げていきたい。力を合わせていけるのが僕ら世代の強みでもあると思います。 -福岡など地方でのキャンペーンも続けています。 ★辰巳 東京からだとなかなか伝わらない部分があり、各地におじゃまして地域の皆さんに伝えたい。コンサート前にうかがうと、より近い感じで再びお会いでき、自分の思い入れも違います。福岡のキャンペーンではアットホームに迎えていただきました。 -九州の印象はどうですか。 ★辰巳 何を食べてもおいしい。個人的には、しょうゆが好きです。毎回、ご当地スーパーでしょうゆを買います。家には常に九州のしょうゆを置いています。 -来年1月に博多座(福岡市)で「松平健芸能生活50周年記念公演」の舞台「暴れん坊将軍」に出演します。 ★辰巳 誰でも知っている作品で出演が決まったときは不安もありましたが、喜びも大きかった。気合が入りましたね。役名は違いますが、これまで北島三郎さんや山本譲二さんも出演しています。先輩方に負けないよう博多座のお客さんに楽しんでいただけるよう頑張ります。 (文と写真・根井輝雄)
たつみ・ゆうと
1998年生まれ、大阪府出身。2010年、中学1年で「ティーンズカラオケ大会」優勝。18年に「下町純情」でデビュー、同年の日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。来年1月29日にシングル「運命の夏」をリリースする。