北陸放送

私たちの食卓になじみの深いカニカマが店頭に戻ってきました。能登半島地震で被害を受けた石川県七尾市のスギヨが、2か月ぶりに工場での製造を再開し、地元の買い物客からは喜びと安堵の声が聞かれました。 【写真を見る】1人で10パック買う人も… 帰ってきた“カニカマ” 石川・七尾市のスギヨ工場が製造再開 本物の風味や食感を再現した「香り箱 極」も近日店頭へ サラダや酢の物などどんな料理にも使えると人気のカニカマ「ロイヤルカリブ」。七尾市の練り物メーカー・スギヨは、市内3つの工場で天井や壁の一部がはがれたり上下水道の配管が壊れるなどの被害がありました。断水の影響で製造の停止が続いていましたが、カニカマをメインに製造する工場を優先的に復旧させ、先月29日、2か月ぶりに製造を再開しました。 村中健介 工場長 「うちの工場の復旧が能登の復興につながるようにその足掛かりとしてでも弊社のカニカマを全国に発信して能登の復興を感じてもらえたら」 七尾市内のスーパーでは、5日からロイヤルカリブが店頭に並び、買い物客が2か月ぶりに戻ってきた地元の味を買い求めていました。 買い物客 「カリブ大好きやから。おやつがわりにも食べるから嬉しい。サラダとか朝ちょっとつまんだり」 「楽しみにして待ってた。寂しかった。サラダにしようかと思ってメモして必ず買おうと思ってきた」 スーパーによると、販売が再開した5日は、1人で10パック買う人もいたということです。 どんたくアスティ店 山田葉さん 「（きのうは）反響がすごかった。見たら手にとるというような。スギヨさんをはじめほかの地元メーカーさんの商品をお届けできるよう努めたい」 スギヨでは本物のカニの風味や食感を再現した「香り箱 極」の製造も、6日再開し、3月11日以降に全国に出荷する予定です。またほかの2つの工場についても4月以降に再開できるよう復旧を進めるということです。 七尾をはじめ、石川の人たちは歓迎のカニカマの販売再開ですが、北陸新幹線の敦賀開業を記念しての商品も展開します。 山崎製パンの人気商品ランチパックにスギヨが監修した「かに風味かまぼこサラダ」で、3月1日からおよそ1か月間販売される予定です。地震から2か月あまりですが、能登の食を発信する取り組みも復活してきているようです。