放送作家を引退した鈴木おさむさん。「40代はしんどい、50代は動けるチャンス」
子どもの「好き」を見つけるまで待ちたい
――長男の笑福さんも9歳になりましたが、お子さんの教育で気をつけていることはありますか? 鈴木:自分の好きが見つかるまで強要しないってことですかね。選択肢は与えるけど、無理矢理やらせない。僕なりに、いろんなエンターテインメントとか、物語を見せるのは大事だと思っていますが、単に子ども向けだからという映画ではなく、僕も見たい映画を一緒に見たり、そういう時間はたくさんつくっています。 ――「好きが見つかるまで待つ」。すごくいい言葉ですね。では、勉強に関してはいかがですか? 鈴木:大島さんとも、無理にお受験させたくないとか、そういう価値観は合っています。今の時代、自分で調べようと思ったら、ネットでもSNSでもいろいろ調べられるじゃないですか。いずれ計算とか覚えることは、“ChatGPT”がやってくれるようになるかもしれないし。 だからこそ、なにが正しいんだろうと自分で模索していかなきゃ行けないと思っていて。自分から興味が出れば勉強もするし、努力もすると思う。だから、なにか強要してやらせることはしたくないですね。
自分しかいない!って思い込みをやめることでラクに
――家族のあり方から、仕事の辞め方も鈴木さんの本や行動を参考にする人が増えているかと思います。考え方を聞いて、ラクになったという人もいれば、なかなか踏みきれない人もいると思いますが、迷っている人にアドバイスはありますか? 鈴木:仕事に関しては、「職場には俺が絶対必要だ!」って勝手にみんな追い込んじゃっている所があると思っていて。芸能界でもスターが辞めたときに「大変だ」「辞めないで」って大騒ぎになる。 だけど、その穴って新たなスターが出たり、周りの人の結束が高まったり、いろんな形でちゃんと埋まって行くんですよ。それは、どの仕事もそうなのかなって僕は思います。自分の存在意義を保つために、みんな無理矢理自分に言い聞かせているところがあると思うので、その考えはやめた方がラクになると思いますね。 ――たしかにどこかでそういう風に思ってしまうところはあるかもしれませんね…。 鈴木:あと、「50歳」という節目は、動けるチャンスだと思ってるんです。60歳になったら、いろいろ体の痛いところもあるだろうけど、50歳ならまだ全然動けますから。40代って会社員なら出世レースとか、フリーランスでも若手扱いされなくなってしんどい年代ではありますよね。 僕は放送作家として仕事をしながら、50代をどうおもしろく生きるか、人生は1回なんでいろいろ考えていました。過去のものにこだわるよりも、そのスペースをあけて新しいものをつくり、挑戦していく方が楽しい! と僕は思っています。
ESSEonline編集部