補助金返還「速やかな訴訟手続きを」 監査委員が南島原市長に勧告 サテライトオフィス問題で
長崎県南島原市深江町の道の駅「ひまわり」にサテライトオフィスを整備する事業が頓挫し、市に補助金9千万円が返還されていない問題で、市の監査委員が松本政博市長に対し、補助金返還のために市が速やかに訴訟手続きを進めるよう勧告していたことが2日、分かった。 南島原市の市民グループが9月、補助金を巡り「ずさんな事務処理で不当な支出」として住民監査請求をしていた。勧告は11月25日付。 監査結果によると、市は運営事業者のエバーグリーン(佐世保市)から委任を取り付け、市議会の承認を得ずに工事前に、国の分を含め9千万円の補助金を施工業者の成和(福岡市)に概算払いした。 監査結果は、施工業者の信頼性や経営状況を精査せず、市長に説明しないまま進めた市の事務処理がリスク管理を欠いており、市に財産上の損害を与えたと指摘した。 山口周一副市長や職員が計3千万円をエバーグリーンに個人融資したことについて「利害関係者との不適切な疑念を持たれる行動は厳に慎むべきだ」と警告した。 松本市長は「勧告を真摯(しんし)に受け止める。訴訟手続きを進め、債権回収する。事務処理の精査と改善を図り、市民の信頼回復に全力で取り組む」とコメントした。