ダニエル・ラドクリフ、『ハリー・ポッター』の原作者J.K.ローリングのアンチトランス発言についてコメント「本当に悲しい」
映画『ハリー・ポッター』シリーズの原作者で以前からアンチトランスジェンダーの立場を取り続けてきたJ.K.ローリング。「トランス女性は女性ではない」というポリシーを度々SNSで表明、トランスジェンダーの権利をサポートするセレブやファンたちの批判を受けてきた。映画『ハリー・ポッター』シリーズのダニエル・ラドクリフやエマ・ワトソンもローリングの意見に反対する姿勢を表明。「トランス女性は女性である」という立場を示してきた。 【写真】『ハリー・ポッター』で振り返る、エマ・ワトソンの成長クロニクル
最近、イギリスでは国民保健サービス(NHS)が子どもや若者に対して性同一性に関するサービスを提供するべきかどうかを論じた報告書を発表した。これは独立的な立場の小児科医が4年かけてまとめたもので、結論は「長期的に見て、ジェンダーに関連する苦痛の対処するための介入が患者にも医療提供者にもいい結果をもたらすという証拠はない」。つまり心と体の性自認が一致しない子どもや若者に、自認する性に近づけるための治療をすると後になって問題が生じるというのがこの小児科医の意見。
これを読んだローリングは激怒。「これまで子どもたちは(治療によって)傷つけられてきた」とツイートすると同時に「トランスジェンダーの権利を支持してきたセレブも、子どもたちを傷つける行為に加担した」と非難した。ローリングの考えを支持しているあるフォロワーが「エマ・ワトソンやダニエル・ラドクリフがあなたに謝ってくれるといいと思う」とコメントするとローリングはこれにリプライ。「残念だけれど、そうとは言えないと思う」とコメントすると「トラウマを抱えたディトランス(性別移行を途中でやめたり、再移行したりした人)や女性だけのスペースに依存する弱い立場にある女性たちのために謝罪の言葉を残しておいてはどうか」。自分に謝っても許すつもりはないと匂わせた。
そのためダニエルやエマがどのような態度を示すのか、注目が集まっていたがダニエルが最近のインタビューでローリングのアンチトランス的な立場についてコメントした。ダニエル曰く「とても悲しい気持ちになる。出会ったときの彼女や彼女が書いた本、彼女が作り上げた世界はどれも私が深く共感できる存在だから」。さらに「ハリー・ポッターは彼女がいなかったら生まれなかった。でもだからと言ってそれは自分が信じていることを一生誰かに背負わせていいということにはならない」。ちなみにもう何年もローリングとは話をしていないそう。 ダニエルは今回のインタビューで「私は全てのLGBTQsの人々の権利を支持し続ける。それ以上のコメントはない」と語っている。これまでと変わらない姿勢を見せたダニエルにローリングが何か反応するのか、注目が集まっている。