“形の長野”復権に燃える 原・中平ペア 柔道「形」で全国へ【長野県飯田市】
長野県飯田市山本の柔道教室「毅心塾高鳥屋道場」で子どもから大人までを指導する同市山本の原和男さん(57)=カットスタジオ髪技=と、同市上郷黒田の中平義仁さん(46)=中部公衆医学研究所=が、3月に県立武道館(佐久市)で開かれた北信越「形」競技会で優勝し、6月1日に東京講道館(東京都文京区)で開かれる全国大会に出場する。2年ぶり2回目。 2人が出場する柔道の「形」は、攻撃と防御の理合を習得するために行う“心身研磨の道”として知られ、本来は練習方法の一つとして取り組む。技を掛ける「取(とり)」と、技を受ける「受(うけ)」を担当する二人一組で行い、種類は7種類ある。 出場種目は「極(きめ)」。中平さんが「取」、原さんが「受」を担当する。真剣勝負の形ともいわれる「極」は、徒手あるいは刀による攻撃に対し、投技・固技に当身技を加えて対応し、俊敏な体さばきと最も適切な極め方を習得する形。 2年前にも全国へ進んだが、昨年は北信越大会で僅差で敗退し、悔しさだけが残ったという。「この思いを胸に仕切り直し、もう一度(師匠の)福島毅さんに全国切符をプレゼントしよう」と再出発を誓った。極の形で全国2位の実績を持つ飯山市の坪井清仁さんを招いて鍛錬を積むなど、多くの人との関わりの中で切磋琢磨し、再びつかみ取った。 中平さんは「胸を張って帰って来られるよう精いっぱいやり切りたい」、原さんは「多くの人に応援してもらっている。結果で恩返ししたい」と意気込む。 ペアを組んで10年余。7~8年ほど前までは、長野県はほとんどの形競技で全国大会へ出場し、世界一や日本一のペアを多く輩出してきたが近年は振るっていないという。今年の全国大会も県代表は2人のみ。「県、北信越の代表として上位を目指し、形の長野県の復権に貢献したい」と、力強く声をそろえていた。