橋本環奈に影響を与えるのはどんな“ギャル”? 朝ドラ『おむすび』ハギャレンを解説
朝ドラ『おむすび』(NHK総合)には、不在ながら既に存在感を発揮しているヒロイン・米田結(橋本環奈)の姉・歩(仲里依紗)がいる。地元では伝説のギャルとして語り継がれている歩はずっと結の中にもいて、時折顔を出しつきまとう。そしてそれは、地元のギャル集団「ハギャレン」こと「博多ギャル連合」のメンバーにとっても同じ。 【写真】ハギャレンを捉えた場面カット(複数あり) 第1週のタイトル「おむすびとギャル」にある通り、“おむすび”と呼ばれている結にとってギャルとの出会いは将来を大きく変える大事な要素の1つになっていくのだろう。必要以上に平穏な日々を過ごすことを望んでいるように見える結に、新たな風を吹き込みそうなハギャレンのメンバーを紹介したい。 ■総代表・真島瑠梨(通称“ルーリー”/みりちゃむ) 歩が総代表だった時代から求心力が衰えてきたハギャレンを再起させようと、妹の結を総代表にスカウトする。人一倍ギャル愛が強いであろう瑠梨は、自身の立場よりハギャレン全体の盛り上がりを優先しようとする。その忠誠心はまさに“ギャル魂”そのものに思える。 みりちゃむは演技経験もまだまだ浅いながら、まさに本物のギャルとして今回の役に抜擢されたようで、もちろん朝ドラ初出演。“ギャル”の代名詞でもある雑誌『egg』の元専属モデルで、台詞として繰り出されるギャル語はあまりに自然で、ハギャレン全体に説得力を持たせている。 ■柚木理沙(通称“リサポン”/田村芽実) 結と同じクラスメイトの“隠れギャル”。普段は黒髪に爽やかな女子高生ながら、それはあくまで“仮の姿”で、放課後にはスカート丈も一気に短くし足元はルーズソックスのギャルの正装に身を包み、「ギャルがほんとのウチ」と言い放つ。 演じる田村は『らんまん』(NHK総合)に続き本作が朝ドラ出演2作目。『らんまん』では万太郎(神木隆之介)が修業をした大畑印刷所のひとり娘でチャキチャキの江戸っ子・佳代を演じていた。寿恵子(浜辺美波)のことを“お寿恵ちゃん”と推しており、彼女への好意がダダ漏れな佳代の素直さや無邪気さは、視聴者にとっても親近感に繋がっていた。 本作でも、強いギャルに憧れ仲間を大切にするリサポンには佳代と通ずる律儀さがありそうだ。 ■佐藤珠子(通称“タマッチ”/谷藤海咲) ギャルというだけで毛嫌いする結に「真剣にギャルをやっている」宣言をする正義感の強さが滲む珠子は、ハギャレンの中ではパラパラの振り付けを担当しているようだ。筋が通らないことを良しとしない一本気タイプで情にも厚そう。裏表がなく、総代表の瑠梨と共にギャルを正面から謳歌している様子は若さや無敵感に溢れ、なんだか清々しくもある。 谷藤は、リサポン役の田村同様にアイドルユニット出身で、朝ドラは本作が初出演となる。 ■田中鈴音(通称“スズリン”/岡本夏美) 金髪に長いネイルチップを付けピンク色の上下スウェットを着た脱力系ギャル。いつ見てもスナック菓子を長いネイルに引っ掛けて食べており、口数も多くはなくマイペースぶりが滲む。ゲームセンターでフラつく様子も見られたが、お菓子ばかり食べている偏食ぶりが彼女の健康や無気力感に繋がっているのかもしれない。 スズリン役の岡本はこれまで出演した学園ドラマでは清楚な役どころを演じることが多く、『賭ケグルイ』(MBS・TBS)では生徒会役員の西洞院百合子役を好演。和装姿で涼しげながらもギャンブルが白熱するにつれ表情が崩れ出す怪演が話題になっていた。 本作のスズリンも最も本音やキャラクターが読めない掴みどころのない不思議な存在感を発揮しており、ゆくゆく栄養士を目指すことになる結にとって、何らかのきっかけを与えてくれる存在になりそうだ。 結のギャル嫌いはどこからきていて、その苦手意識や嫌悪感がハギャレンに巻き込まれていく中でどう変化していくのか。ハギャレンがどんな影響を与えるのか楽しみだ。
佳香(かこ)