"最初から最後まで"のサービスもアリ!? 銀座の夜を変えていく「チャイナマネー」
銀座と同じく歓楽街として知られる六本木では、2011年にオープンした「ROKUSAN ANGEL」(旧バーレスク東京)が人気を集めている。妖艶な女性ダンサーによるポールダンスなどのパフォーマンスが楽しめる点など、銀座に出現した新たなスポットとの類似点も多いが、異なっているのはその成り立ちだ。 「銀座の『クラブ』のほうは、どうやら中国系の資本が入っているようなんです。なんでも、『東京の夜は遊ぶところがない』という声が、彼らがメインターゲットに据えている中国人の富裕層のお客の間から上がったらしく、そうしたお得意さんのリクエストに応じて店をオープンさせたと聞いています。 ホステスとの会話や駆け引きを楽しむ昔ながらの銀座の遊び方は、彼らにとって退屈なものでしかない。まどろっこしいやり取りは抜きにしてゴージャスな女遊びがしたい、というのが彼らの本音だってことです」(前出の黒服男性) 銀座にやってくる中国人富裕層と接する機会も多いこの黒服いわく、彼らがしばしば口にするセリフがあるのだという。 「最初から最後まで」――。 夜の街で「最後」が意味するものとはもちろん、意中の相手と一晩を共にすることを指すわけだが、そうした新たな得意客のニーズに合わせようとする店も増えつつあるという。 「中国人客を相手にするクラブの中には、最初から売春までセットになっている店もありますよ。散々、金を遣わせてヤレないとなると、『話が違う』と騒ぎ出す客もいてトラブルになることも結構あるんです。 中国人が出資して実質的なオーナーになっている店はほぼほぼ、『最後まで』の店だと思ってもらってもいいくらい。商売が立ち行かなくなって身売りする店も増えてきていますから、そのうち銀座全体にそういうシステムが行き渡っていくかもしれませんね」(前出の黒服男性) 最近、日本人女性の韓国への「出稼ぎ売春」を斡旋していた業者が韓国当局に摘発されたというニュースが報じられたばかり。銀座の街の移ろいも、衰退する日本の現実を映し出しているのかもしれない。 文/安藤海南男 写真/photo-ac.com