新紙幣、岐阜県内金融機関に引き渡し 取り扱いへ準備着々、枚数制限や両替に手数料
3日に発行された新しいデザインの紙幣は、日銀名古屋支店(名古屋市)から岐阜県内の金融機関への引き渡しも始まり、4日から取り扱いを始める金融機関では着々と準備を進めた。各金融機関で本格的に取り扱いが始まるのは来週の見通しで、20年ぶりに刷新された新紙幣への期待感が高まっている。 「F1万円券印刷局封では40億円が1、2、3。120億円なり」。発行初日の朝、日銀名古屋支店は新紙幣の発行数量を確認する照合作業を報道陣に公開した。1万円札は紫色、5千円札はオレンジ色、千円札は水色と帯の色で種類が判別でき、職員2人が梱包(こんぽう)された新札の数量を声を出して確かめた。 初日は全国で約1兆6千億円、名古屋支店では全体の10%弱の1381億円を送り出した。黒川裕之企画役は「新しいお札は偽造抵抗力が一段と高まる。責任を持って現金の供給を続けたい」と力を込めた。 新紙幣の引き渡しは、通常より1時間早い午前8時ごろから始まり、新1万円札の肖像となった渋沢栄一が書いた扁額(へんがく)「順理則裕」が伝わる十六銀行の各店舗にも到着。本店の平光由依さんは「最新の偽造防止技術が使われた新紙幣を見て少し興奮した」、村瀬清華さんは「まだ見慣れないが、裏面のデザインがきれい」と笑顔を見せた。 同行は4日から取り扱いを始めるが、まだ枚数に限りがあり、取引でも枚数制限や両替時に手数料が必要になることを顧客に周知する。山村茂執行役員本店営業部長は「万全を期してお客さまの両替のニーズに応えていく」と話した。 県内では大垣共立銀行や岐阜信用金庫、大垣西濃信用金庫も4日から、東濃信用金庫は一部店舗で5日正午以降、岐阜商工信用組合、飛騨信用組合は同日午後から本格的に取り扱いを始める予定。他の金融機関も週明けから取り扱う予定。
岐阜新聞社