東大キャンパスで存在感、学生らの感性刺激 木村さん(八戸)ツリーハウス制作
八戸市の彫刻家木村勝一さん(59)が東京大の構内に作り上げたツリーハウスが2日、お披露目された。東日本大震災の記憶の継承や復興への思いを込めた作品。木村さんの自由な発想やメッセージ性が異彩を放ち、学生らの感性を刺激している。 ツリーハウスの制作は、教育や研究の深化を目的に、芸術との連携を図る「東京大学芸術創造連携研究機構」のアートプロジェクトの一環。木村さんと親交のある、同大大学院医学系研究科の講師・田中庸介副機構長が依頼した。 作品では八戸など青森県産の木材を主に使用。キャビン(ハウス)部分には震災で津波をかぶった鋼板を活用し、11月下旬に3日間で仕上げた。敷地内で色付く東大のシンボル・イチョウの木とも調和し、広いキャンパスで存在感を見せている。 「ツリーハウスは発想次第でいくらでも面白いものができる」と木村さん。「学生に五感に訴えるものを感じてもらい、イメージの掘り起こしにつながれば」と熱っぽく語った。田中副機構長も「学生や研究者が木村さんの作品にインスパイアされてほしい」と期待を込めた。ツリーハウスは来年1月末まで展示される予定。 この日は、アートプロジェクトのイベントとして、八戸市を拠点に活動する世界的ジャズピアニストのデビッド・マシューズさんや同市出身のトランペッター類家心平さんらによるコンサートも同大で開かれた。
デーリー東北新聞社