路上飲酒、お断り！長谷部渋谷区長「今年も渋谷はハロウィンをお休み」吉住新宿区長「自分の飲食をした後にゴミを残すのは、教養のある、理性のある人間が行うことではない」
渋谷区長・長谷部健氏と、新宿区長・吉住健一氏が7日、都内で共同会見を行い、ハロウィン時期に関する路上飲酒、オーバーツーリズムなどの対応策を発表した。昨年、渋谷区でハロウィン時期に「渋谷に来ないで」という発表をしたことで、来街者が予想の6万人の4分の1になる約1.5万人なった一方、新宿区の歌舞伎町に人が流れ、路上飲酒やゴミのポイ捨てなどが多発したとされた。これを受けて渋谷区、新宿区はそれぞれハロウィン期間の対策を発表。長谷部氏は「今年も渋谷はハロウィンをお休みする」、吉住氏は「自分の飲食をした後にゴミを残していくことは、教養のある、理性のある人間が行うことではない。新宿区は路上で飲酒することをお断りする」と述べた。 【映像】ハロウィンへの対策を語る2人の区長 渋谷区長・長谷部健氏 「渋谷と新宿は東京を代表する観光地として、国内外から多くの観光客が訪れている。その人気ゆえに、オーバーツーリズムという問題に直面している。 ハロウィンはオーバーツーリズムの問題が最も顕在化する日の一つ。渋谷区は2019年からハロウィンの期間中、年末年始、渋谷駅の周辺の路上飲酒を禁止し、独自に警備している。 昨年はハロウィン目的で渋谷に来ないでほしいという苦渋の決断をした。新型コロナウイルス感染症が5類へ移行し、多くの方の来訪が予想されていたため雑踏事故防止のため、自主警備に加え、警察からは機動隊まで配備いただいた。事前にハロウィン目的の来街を控えていただくようお伝えした結果、ピーク時の来街者は6万人の予測に対し、実際には約1.5万人と予想の4分の1に留まった。 しかしオーバーツーリズムには区の境界がない。昨年のハロウィンの時、渋谷区の発信によって、少なからず新宿区の歌舞伎町への来街者が増え、路上飲酒やゴミの問題があったと聞いている。 オーバーツーリズムの問題は一つの地域では解決できません。渋谷区では昨年のハロウィン対策は効果があったが、その後、渋谷の来訪者は大幅に増えている。渋谷の現状はハロウィンだけではなく、1年を通して、特に渋谷駅周辺では、迷惑路上飲酒が常態化している。路上飲酒を起因として、商店街、隣接する住宅街への騒音、ゴミのポイ捨て、放尿などの環境被害が起こっている。 これには条例を改正して、継続する迷惑路上飲酒への対応をする。10月1日からは、路上飲酒禁止エリアを拡大して、夜間の路上飲酒を通年で禁止することとした。そのほかに渋谷は現状、街を行き交う多くの人々が注目するスクラブル交差点の広告ボードへマナー啓発メッセージの掲出や、ビジョンにご協力いただきポスターや動画の放映、人流動向を把握するための防犯カメラの設置をしていく。 今年も渋谷はハロウィンをお休みする。ハロウィン期間には、交通規制や鉄道改札の閉鎖、ゴミゼロ大作戦、バーチャル空間でのイベントなど引き続き警察や交通公共機関、外郭団体、街の方たちにもご協力いただいた取り組みを行う。雑踏事故防止のために、10月30日、31日はハチ公像の周りに一方通行の囲いが設置するため見られない。訪問を検討している方は、日をずらしていただけると幸いだ。 しかしこういった渋谷区の取り組みは、オーバーツーリズムを防ぐためには不十分。強力な措置を取らなければオーバーツーリズムは解決しない。実際に諸外国では路上飲酒が禁止されている区域は少なくない。日本も同じように厳しく対応する必要がある。それなしでは、路上飲酒や商店街、隣接する住宅街への騒音、ゴミのポイ捨て、放尿などの環境被害をなくすことはできないと考えている。 このため今後、渋谷と新宿は国と都に要請する。都や国に求めることとして、マナー違反に対して法律、具体的には路上飲酒禁止の法制化や、罰則と罰金の徴収など、一つの地域・基礎自治体だけでは態勢づくりなどが難しいことに関して、率先して要請する」 新宿区長・吉住健一氏 「新宿区では国内外からの観光客が多くなってきている中で、オーバーツーリズムが問題となっている。昨年のハロウィンの時に、歌舞伎町周辺に大勢の来街者が集まり、路上で飲酒をし、夜が明けるとゴミが散乱していた。 当時、渋谷区の長谷部区長から渋谷で規制をした結果、新宿に人が流れてしまったようだという連絡をもらった。今後もハロウィン時期等において、若者や外国人観光客を対象に、来街者の増加が予想される。歌舞伎町のシネシティ広場周辺には、座り込んで飲酒をし、問題行動を起こす来街者がいて、他の来街者とトラブルになることも少なくない。地元の人間も怖くて近づけない。 このため事故などの防止に向けた対応が必要と考え、6月の議会で新宿駅周辺地域の安全で秩序ある環境の確保に関する条例を制定した。この条例は、新宿駅周辺地域において、路上飲酒を制限し、迷惑行為や雑踏事故による危険を未然に防止することを目的としている。 新宿区におけるハロウィンでの事故防止対策として、第1に路上飲酒を禁止する。制限を実施するのは歌舞伎一丁目の一部と、新宿三丁目の一部。JR新宿駅から、歌舞伎町の中心であるシネシティ広場をイメージしてもらえれば。制限時間は10月31日午後5時から11月1日午前5時まで。 第2に、路上飲酒禁止区域周辺での酒類の販売の自粛を要請する。各酒類の販売店舗や本部、地元の商店街などを通じて声がけをしている。 第3に路上飲酒を制限するために、区の職員と警備員を動員し、条例に基づいて路上での飲酒や迷惑行為をやめるように呼びかける。当日は区職員、警備員を合わせて約100名の態勢をとる。 新宿、特に歌舞伎町は決して広くない。路上にアルコールを飲んで集まって、混雑することで事故やケンカが発生する。自分の飲食をした後にゴミを残していくことは、教養のある、理性のある人間が行うことではない。新宿区は路上で飲酒することをお断りする。お酒を飲む場合は、店の中でルールを守って楽しんでいただきたいと考えている」 （ABEMA NEWS）
ABEMA TIMES編集部
