【ライブレポート】櫻井和寿、スガシカオ、小林武史ら出演。『百年後芸術祭』スペシャルライブ「super folklore」が大盛況
■「音楽を通じて誰かの悲しみに何らかの形で寄り添いたい」(櫻井和寿) 市原市、木更津市、君津市、袖ケ浦市、富津市の内房総5市で開催中の『千葉県誕生150周年記念事業百年後芸術祭~環境と欲望~内房総アートフェス』(略称:『百年後芸術祭-内房総アートフェス-』)。4月20日・21日、音楽を主とする「LIVE ART」にて、“通底縁劇・通底音劇”と題した小林武史プロデュースによるスペシャルライブのひとつである「super folklore(スーパーフォークロア)」が、木更津市のKURKKU FIELDS(クルックフィールズ)にて開催された。 【画像】「音楽を通じて誰かとつながっていけたら」と語ったスガ シカオ “通底縁劇・通底音劇”の通底という言葉は、アンドレ・ブルトンの『通底器』からヒントを得たもので「つながるはずのないものがつながる、つながっている」ということをイメージしたもの。この通底という言葉には、歴史的な要因による戦争、自然災害による物理的な分断など、表面的には様々な分断が絶えないように見える現実に対して、本来、私たちは根底でつながりあえる(わかりあえる)のではないか? という想いが込められている。 小林武史 この通底を根底とした“通底縁劇・通底音劇”を表現する形として、小林武史プロデュースにより、複数のそれぞれ異なる内容のスペシャルライブを開催。 この日開催された「super folklore(スーパーフォークロア)」では、櫻井和寿/スガシカオ/Butterfly Studio(guest vocal:Hana Hope/dancer:高村月/KUMI)、小林武史(Key)/FUYU(Dr)/須藤優(Ba)/名越由貴夫(Gu)/沖祥子(Vl)のパフォーマンスと音楽、Butterfly Studioによる1,000台のドローンを用いた、まったく新しいLIVEパフォーマンスが披露された。 【ライブレポート】 オープニングでは前面の巨大スクリーンを使用して“通底縁劇・通底音劇”の世界観を表現。会場が盛り上がったところでスガ シカオが登場。「あなたへの手紙」歌唱前に百年後芸術祭「LIVE ART」のテーマ“通底縁劇・通底音劇”について触れ、「自分の持つ力や勇気を自分のためではなく、誰かのために使うと逆に自分が救われると感じています。今回のイベントのテーマと同じように、音楽を通じて誰かとつながっていけたら良いと思います」と語り、全7曲を披露し、会場を魅了した。 スガ シカオ その後、Butterfly Studioのダイナミックなパフォーマンス、Hana Hopeの透き通る歌声が会場を感動に包み、そこに櫻井和寿が登場。「to U」をHana Hopeとともに歌唱し、その後全15曲を披露した。 櫻井和寿×Hana Hope 「かぞえうた」の歌唱前には、小林武史が「“通底縁劇・通底音劇”のテーマに合わせてリクエストした歌です」と選曲への想いについてコメント。これに対し、櫻井和寿は、自身の東日本大震災の際の経験について触れ、「僕は震災の際、被災地に駆けつけることができませんでした。そんな自分の情けなさ、弱さ、かっこ悪さがどうしようもなく悔しくて、どうにか自分を許す手立てがないかと思っていました。被災された方に思いが届くように、この曲を書きました。この歌がどんなに小さなことでも、誰かの悲しみに何らかの形で寄り添えれば良い」と、今回のテーマ“通底縁劇・通底音劇”に交えたエピソードを話した。 「365日」では、サックスを演奏し会場を魅了。演奏後のトークでは、小林武史からの「突然のサックスでしたね(笑)」というコメントに対し、櫻井和寿は「人前でサックスを演奏するのは今回が初めてなんです!」と答え、会場が歓喜した。 そして、ラストスパート「HANABI」の歌唱では1,000台のドローンの演出とともに会場をさらに盛り上げ、アートと音楽が融合。まさに「LIVE ART」の演出で圧巻のパフォーマンスを披露した。 圧巻のドローン演出 高村月 KUMI
THE FIRST TIMES編集部