3代目ミニ・ジョン・クーパー・ワークスに試乗したモータージャーナリストの藤野太一の本音がこれ!「ジョン・クーパーから受け継ぐアナログな走りを味わうラスト・チャンス」
サイズはしっかりミニしてる!
JCWのラインナップの中でももっとも小型軽量でとびきりスポーティな仕立てとなる3ドア・バージョンのミニ・ジョン・クーパー・ワークスに乗った島下泰久さん、藤野太一さんの本音やいかに? 今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。2024年、大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が試乗! 【写真11枚】コレが新車で買える最後の三代目ミニJCWか?! 詳細画像はこちら ◆「ラスト・チャンス」藤野太一 現行3世代目のBMWミニが発表されたのは2013年のこと。いま第4世代へのモデルチェンジ期にさしかかっているが、第3世代の一番ホットなモデルがJCWだ。 派生モデルの多さやそのサイズゆえ、ミニはミニじゃないなんて揶揄されることもあるけれど、原点ともいえる3ドア・モデルのシンプルなスタイリングはやはり魅力的。 全長3880mm×全幅1725mmというサイズはしっかりミニしている。 最高出力170kWの2リッター4気筒ターボ・エンジンは、ワイルドに吹け上がりちゃんといい音がする。 足はそれなりに硬いけれど、剛性の高い3ドアのボディがそれをしっかり受け止める。 リムの太いステアリングに、クッと力を加えるとロール少なくノーズがすっすっと向きをかえるゴーカート・フィーリングは健在。飛ばさなくても、街中で交差点を曲がるだけでも楽しい。 ミニは2030年までにEVブランドへスイッチすることを目指しており、新型のJCWもEV仕様が登場するようだ。 ジョン・クーパーさんの世代から受け継がれてきたアナログな“駆けぬける歓び”を味わうラスト・チャンスだ。 ◆「これはこれで未だ魅力アリ」島下泰久 実はほんの数日前に、ポール・ウェラーが娘のリア・ウェラーと並んで、おそらくはミニ・クラブマンの前に立つ写真を見て、そのブリティッシュ・アイコンとしての魅力を再確認していたミニ。おかげで試乗は、とてもテンションの高まるものとなった。 室内に乗り込むと、ミニはインテリアが刷新されて、ドライバーの正面に楕円形の液晶パネルが備わっていた。しかしながらアップデートされても、独特の雰囲気は健在。太いリムのステアリング・ホイール、分厚いダッシュボードに、ガッシリしたピラーなどによる、ちょっと重々しい感じも変わらない。 走らせても、やはり剛性感たっぷりで骨太。しかも試乗車はJCWだけにサスペンションは締め上げられ、エンジンは低音のエグゾースト・ノートを響かせる、まさしくオールド・スクールの走りっぷりだ。 デザインも走りも、ここまで独自のスタイルを頑固に貫いてきたミニ。新型は雰囲気がちょっと変わってミニマリズムを前面に出してくるようだが、これはこれで未だ魅力アリ。そう思えたのである。 写真=小林俊樹(メイン)、郡 大二郎(サブ) (ENGINE 2024年4月号)
ENGINE編集部