【特集|政治】色濃く残る衆院選の影響・・・次なる〝決戦〟へ【新潟】
10月には今年最大の政治決戦『衆院選』がありました。県内小選挙区では自民党が全敗、その影響は今も尾を引いています。18日も、自民党県議は次の支部長をめぐって協議。衆院選の余波が色濃く残る中、次なる決戦に向けても与野党が動き出しました。 【動画】【特集|政治】色濃く残る衆院選の影響・・・次なる〝決戦〟へ【新潟】 15日、上越市に集まった新潟5区の支援者たち。頭を下げていたのは、この人。 ■新潟5区で落選 高鳥修一氏 「ありがとうございます。」 10月の衆院選で落選した自民党の高鳥修一前衆議院議員です。高鳥さんの周辺は「落選後に本人の心が折れかかっている」ともらしていていましたが、完全非公開となったこの会合で次の衆院選での公認候補の前提となる5区支部長の続投を表明しました。 ■新潟5区で落選 高鳥修一氏 「当選5回して中央に人脈を作ってきた、再チャレンジするということを皆さんに申し上げて満場一致で拍手をいただいた。反省すべきは反省をして、対応を考えていきたい。」 出席者によると、一部の支援者から続投に異論が上がったといいます。衆院選から2カ月が経ってなお、自民党が負った傷は癒えず… その始まりは、8月ー ■岸田前総理 「私は来たる総裁選に出馬しません。」 ここから一気に強まった解散総選挙の風。裏金問題にゆれる自民党は、「新たな顔」のもとでの“刷新”に期待も高まりました。9月の総裁選を経て石破総理が誕生すると、10月9日解散当日の朝。自民党が下した決定に、激震が走ります。 ■自民党 高橋直揮県議 「非公認?え、そうなの?マジで!ほんとに?」 裏金問題で党から処分を受けた新潟2区の細田健一さんが、党本部から非公認に…。突然の判断に、細田さんも怒りをぶつけました。 ■新潟2区 自民・細田健一氏 「正直勘弁してほしい、正直いい加減にしろという気持ちはある。」 翌日には地元で支援者を集め、無所属での出馬を表明。ポスターやビラ・政見放送など、大きなハンデを背負ったいばらの選挙戦に突入しました。 ■新潟2区 無所属で出馬 細田健一氏 「その皆さんおひとりおひとりの声・顔を思い浮かべると、私は感謝の言葉しか今は思い浮かびません。助けてください、助けてください。」 ■新潟2区 立憲・菊田真紀子氏 「なんか、ニュース見ていたら、泣いてましたね。助けてください、冗談じゃないですよ。」 立憲民主党にとっては、まさに「追い風」。裏金問題を徹底追及し、政権批判を強めました。 ■新潟1区 立憲・西村智奈美氏 「裏金隠しの衆議院の解散総選挙、政権交代こそが最大の政治改革である。」 ■新潟3区 立憲・黒岩宇洋氏 「国民に平気でウソをついて勝ち抜いたら金を入れる。我々の暮らしを、幸せを託すことはできますか?」 選挙戦2日目から応援に入ったこの人も… ■立憲・野田佳彦代表 「反省してない人には、ペナルティーを与えようじゃありませんか、みなさん。自民党がやらないんだったら、有権者がペナルティーを与えるということです。」 一方の自民党は、猛烈な逆風をしのごうと自身の潔白を訴えました。 ■新潟4区 自民・鷲尾英一郎氏 「みなさん、もうわかってますよね、私は裏金ゼロですから。ね、裏金議員じゃなくて裏金ゼロ議員ですから。」 ■新潟5区 自民・高鳥修一氏 「領収書は全部そろっています。いわゆる使途不明金、裏金ではないんです!」 無所属での戦いとなった細田さんは、県連が全面バックアップして戦いましたが、支援者からは不安の声も上がっていました。 ■細田氏を支援 弥彦村議 「細田さんの今の場合逆風が吹いたので、自民党離れをしなければいいなというのが心配。」 開催した個人演説会では、選挙戦終盤にもかかわらず空席が目立つ場面もありました。 10月27日。その懸念は、現実に。 県内5つの小選挙区で立憲民主党が全勝。2009年以来、15年ぶりです。 ■新潟2区 立憲・菊田真紀子氏 「国民へのお詫びもない、けじめもない、反省もない。こういう政治に対して、皆さんがしっかりと怒りの思いを受け止めていただいた。」 自民党で当選したのは、比例単独の国定勇人さんと、比例で復活した3区の斎藤洋明さんの2人。終盤の『2000万円問題』も追い打ちをかけ、党内批判も噴出しました。 ■新潟3区で比例復活 自民・斎藤洋明氏 「総裁であったり幹事長であったり、国民の納得の得られる処分や再発防止策を講じてきたと言える結果かどうかっていうのを、まず見ていただきたい。」 今月に入り、3区の斎藤洋明さん、4区の鷲尾英一郎さん、そして5区の高鳥修一さんについて、県連は党本部から示された次期支部長としての案を了承。 一方、支部長続投に意欲を示している1区の塚田一郎さんと2区の細田さんについては、現在まで保留。2区の支部内では、大敗を喫した細田さんの続投に異論もあり、衆院選後、次の支部長について意見を問う意向調査が独自に行われました。2区では、細田さんと比例単独で当選した前三条市長の国定勇人さんが支部長を争った経緯もあり、国定さんを推す声もありますが、県連幹部は… ■県連幹部 「細田さんは9割くらいの支部が『勝てない』と。だからからと言って、国定さんがいいってわけでもない。若い女性を出すことも必要なんじゃないかという声もあった。」 1区で落選したの塚田さんに対しても、2回連続の小選挙区での敗北を受け、支部内では『差し替え論』もくすぶります。 後継選びが難航している1区と2区をめぐって18日、各支部の自民党県議が協議。しかし・・・ ■新潟2区支部 高橋直揮県議 「結論は全く出てません。意向調査を取った結果、(細田氏では)なかなか厳しいだろうという意見はあったので、そこはもう少しいろんな方々と意見交換したい。」 体勢を立て直すには、早く決めたいところですが… ■自民党県連 岩村良一幹事長 「ズルズルズルと行ってはいけないということは、みんな考え方を共有している。」 ただ、県連幹部は年を越す可能性も否定しませんでした。 次期支部長の議論と並行して、与野党は次なる戦いに向けても動き出しました。来年夏に予定される〝参議院選挙〟です。 12月1日、立憲民主党から立候補を予定する現職の打越さく良参議院議員は、自身の後援会の総会で決意を語りました。 ■参院選に出馬予定 立憲・打越さく良参院議員 「自民党は衆院選の結果を受けて、死に物狂いで来年の参院選に挑んでくるはず。負けるわけにはいきません!」 この日、さっそく野田代表が応援に駆け付けました。新潟は重要な1人区である上、衆院選での勝利は自民党の敵失でこの風は来年夏まで持たないとの声もあります。加えて、強力な自民党候補に対する危機感もあります。 ■立憲・野田佳彦代表 「聞くところによると、新人とは言いながらも新潟県では知名度のある方と思う。この1人区でどれだけ勝てるのかが、大きく政治を変えることができるか停滞するか、すべて1人区にかかっている。」 その自民党の公認候補となったのが、参院選で初めての候補者公募で選ばれた中村真衣さん。シドニーオリンピックで銀メダリストを獲得した元競泳選手です。 ■自民公認候補 中村真衣氏 「スポーツの力で教育や文化面を中心に、全国で地域活性化のお手伝いをしてきた。子どもの環境をしっかりと国がサポートできるような社会を作っていきたい。」 裏金問題による政治不信の中にあって、県連幹部が『救世主』と語った女性アスリートの擁立。すでに中村さんの選挙対策本部も立ち上がり、年明けから本格的に活動をスタートする予定です。 ■自民公認候補 中村真衣氏 「私はチャレンジャーですので、しっかりと相手候補の胸を借りるつもりで、私は新潟県のみなさんと新潟県のために頑張っていきたい。」 参院選を政権交代のチャンスと位置付ける立憲民主党に、逆風を切り裂く女性アスリートで挑む自民党。衆院選の結果を受けて、与野党はどう歩みを進めるのか。2025年夏、再び政局の山を迎えます。