ハイドロで車高上がってる状態? そう思ったアナタに読んで欲しい シトロエンC5 XヒプノスPHEV
これは秀作。それでも残るさらなる期待
C5 Xプラグインハイブリッドは乗り心地と、それ以外の部分の雰囲気にも整合性がある。 ほどよくラグジュアリーな内装や1.6Lターボ+8速ATの伸びやかな加速、そしてリアシートスペースの広さにもボディサイズ以上のラグジュアリー感が感じられる。 今回ひとつだけ気になったのはデジタルインターフェイスにけっこうな慣れが必要な点だが、オーナーならば時間が解決してくれる問題だろう。 1.6Lの4気筒ターボ、リアのアシは現代フランス車のほとんどをカバーするトーションビーム等々、C5 Xをスペックシートから読み解くと「大したもの」には見えない。 サイズのわりに安グルマ? という印象を持たれても不思議ではないのだ。だが先に記した通り、シトロエンは自分たちが重要視する部分=乗り心地に対して様々な策を講じている。また大き目のボディを小さなエンジン+前輪駆動で引っ張るというのはシトロエンの伝統でもある。一般的な結論として、C5 Xプラグインハイブリッドは秀作と言っていいだろう。 だが最後に一言、マニア的には「シトロエンの旗艦モデルにはハイドロニューマチックを!」というか「21世紀の今こそハイドロ+モーターで勝負してほしい!」と思わずにはいられない。 簡潔な作りはフランス車のお家芸だが、シトロエンのそれは他よりももう少し複雑、というか独創的であってほしい。外観だけでなく中身でも。だからこそファンは絶えず「今どきのシトロエンってどうなの?」と気にしてしまうのである。
試乗車のスペック
価格:682万円(税込 オプションなし) 全長×全幅×全高:4805×1865×1490mm 燃料消費率:17km/L(WLTCモード) 駆動方式:FF 車両重量:1790kg パワートレイン:直列4気筒DOHC 1598cc+ターボ 使用燃料:ガソリン 最高出力:180ps/6000rpm 最大トルク:25.49kg-m/1750rpm 総電力量:12.4kW/h フロントモーター最高出力:81kW/2500rpm フロントモーター最高トルク:32.63kg-m/500~2500rpm ギアボックス:8速オートマティック タイヤサイズ:205/55R19(フロント)205/55R19(リア)
吉田拓生(執筆) 小川亮輔(撮影) AUTOCAR JAPAN(編集)