プライベートは「出不精で寝てばかり」リリー・フランキーが明かした“人生を楽しむコツ”
3月1日から公開される日英合作映画『コットンテール』で、リリー・フランキーが主演を務める。リリーは本作で、最愛の妻・明子(木村多江)を、介護の末に若年性アルツハイマーで亡くした60代の作家・大島兼三郎を演じる。 【写真】錦戸亮も出演! 映画『コットンテール』では作家役を好演
観客に委ねるところが、すごく潔い
“母と妻”として家族をつないでいた明子が亡くなり、息子の慧(錦戸亮)と疎遠状態になっていた兼三郎。幼いころからピーターラビットが好きだった明子は、その舞台であるイギリスのウィンダミア湖に“自分の骨をまいてほしい”という、最後の願いを残していた。兼三郎と慧、その家族は、湖に向かうため、東京からイギリスへ飛び立った――。 「あまり収入もなさそうなのに、物書きでありたいという兼三郎を支えながら、息子の慧も育ててきた明子は、相当よくできた奥さん。明子が元気だったころは、家庭をないがしろにしていたからこそ、妻の死に対して後悔の念と執着があるのでしょうね。仕事を詭弁にして家庭を顧みなかった男と家族の話ですね」 パートナーや親の介護の問題など、人生において避けられない問題はたくさんある。 「海外を舞台にしているから、介護疲れや親子関係の問題が“自分だけじゃないんだ”と受け入れられやすくなっていると思います。日本では息子が父親に素直な気持ちをぶつけることってあまりないじゃないですか。監督のパトリック(・ディキンソン)は、そういう感情を描くのがとても巧くて。日本人が言えない本当の気持ちを表現しているのが新鮮でしたね」 複雑な思いを、イギリス・湖水地方の美しい景色の中で描く本作品。 「サマータイムの関係で、夜の10時でも昼間のように明るいシーンがあります。そういった背景がわからないと、兼三郎の行動が理解できないのですが、この映画はそれを全部は説明していません。観客に委ねるところが、すごく潔いです」
“妻の死”に縛られた兼三郎は、散骨の旅という“非日常”を体験したことで、息子と向き合うことができた。日常から抜け出したくなる瞬間は、リリーにもあるのか。 「毎日が嫌で仕方ないですよ(笑)。僕は別に快楽主義ではないけれど、少しでも面白いことを見つけようとすると、悪いことの種をまくんです。そうすると、ストレスからは逃れられなくなる」