【衆院選】15日公示 鹿児島県内4つの選挙区 それぞれの選挙戦のポイント、構図を探る
鹿児島テレビ
衆議院議員選挙が15日公示され、鹿児島県内4つの選挙区に12人が立候補しました。選挙戦の構図について選挙区ごとにまとめました。 今回の選挙戦で大きく取り沙汰されているのが自民党の裏金問題ですが、県民がこの点をどう評価するかが、選挙の行方に大きく関わってきそうです。 今回の選挙区の立候補者を政党別にみると自民4人、立憲と参政がそれぞれ2人、維新、共産、社民、無所属がそれぞれ1人となっています。 自民候補者4人にいわゆる「裏金議員」はいませんが、10月15日の出陣式では、ほとんどの候補がこの問題について言及し、自民党関係者からは「厳しい選挙になる」との声が聞かれました。 一方、ある野党陣営は「自民党員からも不満が上がっている」と自民票の取り込みが勝敗のカギを握ることを臭わせました。 では選挙区ごとの注目点を見ていきます。 まずは新人と前職2人が立候補した1区。ポイントは「浮動票の行方」です。 前回選挙では自民党の宮路さんと立憲民主党の川内さんの一騎打ちとなり、約1万2000票の差で宮路さんが1区から初当選を果たしました。 宮路さんは前回10程度しかなかった各校区の後援会を、この3年間で60以上に増やしたとしていて、「しっかり準備をしてきた」と短期決戦にも自信をのぞかせます。 一方、川内さんは落選してからの2年半で「選挙区をくまなく回り、悩みに耳を傾けてきた」と県民との近さを自負しています。 今回はこの2人に加え、2年前の参院選にも出馬した参政党の新人・昇さんが名乗りを上げてます。 県内の中心市街地を含む1区は浮動票が多いとされ、前回に続き激しい争いを繰り広げる2人に新人の昇さんがどれだけ食い込めるか注目です。 2区は「保守分裂の乱戦」です。 前回は三反園さんが自民党の公認候補に1万2000票余りの差をつけ勝利を収めました。 今回も2区では三反園さんと2023年比例で当選した自民公認の保岡さんという保守系の2人が相まみえる形となりました。 国会で自民党会派として活動していた三反園さんを一部、自民県議も支持していて三反園さんは自民党の公認を目指し県連にアプローチしていました。 通例では自民党2区の支部長を務める保岡さんが公認候補となるんですが、県連では意見がまとまらず、解散当日にようやく公認された経緯があります。 保守分裂となる中、三反園さんは街頭でのつじ立ちや2区の鹿児島市内の戸別訪問などで支持を広め、2区で初めての選挙となる保岡さんは組織戦を展開し、ゆかりのある奄美大島でリードしたい考えです。 また、前回も2区から出馬した共産党の松崎さんは「このままでは鹿児島が軍事基地化する」と警鐘を鳴らし、ほかの候補との差別化を図ります。 このほか日本維新の会の辻さんはSNSに動画を投稿して活動をアピールし、参政党の矢竹さんは「党として比例区で1議席獲得する」と意気込んでいます。 現在の区割りでは過去最多の5人での争いとなった2区。保守分裂を含む乱戦となりそうです。 今回は3区も注目の選挙区。ポイントは「3度目の勝負の行方」です。 立憲民主党の野間さんと自民党の小里さんは、過去の選挙戦でも激しい戦いを繰り広げてきました。 2017年の前々回は小里さんが1万2000票余りの差で野間さんをかわし、3年前の前回は野間さんが小里さんに約1万5000票差をつけ返り咲きを果たしました。 野間さんは、小里さんが石破政権で農水相に就任したことを警戒しつつも、小まめに鹿児島に戻り、有権者とのつながりを築いてきたフットワークの軽さを選挙戦でも展開したい考えです。 小里陣営は「大臣効果」に期待を寄せますが、同時に大臣の公務で鹿児島を離れることもあるため、選挙戦へのプラスとマイナスをはかりかねている面もあります。 最後に4区です。 「自民党幹部に挑む新人」前回は自民党の森山さんが全体の7割近い票を獲得し、圧勝しました。 今回はその森山さんに社民党・新人の山内さんが挑む構図となりました。 石破政権で幹事長に就任した森山さんは公務に追われ、就任後初めて地元に帰ってきたのは13日でした。 公示日の15日も事務所に姿はなく、選挙期間中も1日しか鹿児島入りできない予定で、後援会が中心となり地盤固めを着々を進めています。 一方、山内さんは西之表市の馬毛島で進むアメリカ軍の訓練移転と、自衛隊施設の整備計画への反対運動を行ってきた実績をアピールします。 9月には社民党の福島瑞穂党首が西之表市を訪れ支持を呼びかけるなど、党からの支援を手厚く受けています。 国会で存在感を強める森山さんの地盤を山内さんがどれほど切り崩せるかが注目です。 衆院選の投票日は10月27日です(繰り上げ投票を除く)。KTSではホームページに特設ページを開設しました。各候補へのアンケートや、関連ニュースを掲載しています。こちらもごらんください。
鹿児島テレビ