期待に応えられず…。欧州、今季ガッカリの名将(5)堅守が崩壊…。修正ができないレジェンド監督
これまで数々の実績を残してきた「名将」であっても、新天地で期待されているような成績を残すことは保証されていない。佳境を迎えている2023/24シーズンも様々な理由から多くの監督が苦戦を強いられている。今回は、今季ガッカリな成績に終わった名将をピックアップして紹介する(成績は5月13日時点)。
シャビ(バルセロナ) 生年月日:1980年1月25日 今季リーグ戦成績:34試合22勝7分5敗(3位) 昨シーズンのバルセロナはラ・リーガ38試合で20失点と堅守を武器にリーグ優勝を成し遂げた。しかし、今シーズンはこの堅守が崩れ去り、リーグで9番目に多い43失点を喫している。失点が増えれば当然ながら勝ち点を落とす試合が増え、現状は優勝が決まっているレアル・マドリードと2位ジローナに次ぐ3位に留まっている。 失敗したのはリーグ戦だけではない。すでに無冠が確定していることからも明らかなように、カップ戦も全滅している。もとよりシャビがトーナメントに強くないのは周知の事実で、国内カップ戦であるコパ・デル・レイでは決勝に勝ち上がったことがない。今季も準々決勝でアスレティック・ビルバオに敗れて敗退してしまった。 UEFAチャンピオンズリーグ(CL)に目を向けると、グループリーグ敗退だった昨季を上回るベスト8に進出している。しかし、パリ・サンジェルマンとの準々決勝2ndレグで監督としての未熟さが露呈する。前半にロナルド・アラウホが退場するフラストレーションが溜まる試合展開になると、自らも判定に納得がいかない直後に大会の備品を蹴り上げて一発退場に。感情的になって退場したのはこの試合だけでなく、今シーズンを通しても何度も見られている。 何よりチームの問題点を修正する能力が足りておらず、選手交代以外で状況を打開することはほぼ見られない。そのため各選手への依存度があまりに高く、今シーズンの場合はガビが離脱して以降は中盤での強度を取り戻すことができないまま現在に至っている。1月の今シーズン限りでの監督退任は撤回されて来季も引き続きバルセロナの指揮を執ることが決定しているが、フロントのこの判断は吉と出るのだろうか。
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