桃子（生田絵梨花）、（高杉真宙）、河本（菅野莉央）ら幼なじみも登場

　そして2つ目の見どころは、子どもを救うために向き合い続ける志子田の姿である。今回の患者は生後間もないのに捨てられていた蜂窩織炎（ほうかしきえん）の赤ちゃんや交通事故で重傷を負った10歳の姉と8歳の弟など。小さな子どもが苦しむ姿には、相変わらず胸が痛む。だが志子田がそんな患児たちを救うため懸命に勉強に励み、時に悔しさを滲ませながら医療と向き合う姿からは勇気とパワーをもらえるのだ。 　『PICU 小児集中治療室』が描いてきた真っ直ぐな信念は、スペシャル版でも揺らぐことはない。吉沢は、志子田に独特の情けなさや愛嬌を残しつつも、愛情深くまっすぐな医師像をしっかりと演じきっている。子どもと対峙するときの吉沢の柔らかい瞳からは、志子田がどれだけ患児を想いながら医師という仕事に就いているのかがひしひしと感じられた。スペシャルではこれまでのように救急で運ばれてくる患者のほかに、結婚・出産を経た志子田の幼馴染・桃子（生田絵梨花）の子どもの姿も。これまで続いてきた友情と、医療が交わっていく様子を見守ってほしい。桃子同様に、連続ドラマから描かれてきた矢野（高杉真宙）、河本（菅野莉央）ら幼なじみとの絆も健在だ。 　思わずウルッときてしまうシーンはもちろん、志子田をとりまく大切な仲間たちとの熱い関係性からも目が離せない。ぜひ、ひと回り成長した志子田の頑張りを噛み締めてほしい。