震災、原発事故以来13年ぶりに神楽奉納 小谷男山八幡神社を改修、奉告祭 福島県南相馬市小高区
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響で損傷した福島県南相馬市小高区小谷地区の小谷男山八幡神社が改修された。15日、同神社で竣工(しゅんこう)奉告祭が行われ、13年ぶりに神楽が奉納された。 小谷地区の小高い丘に建つ小谷男山八幡神社は、毎年正月と8月の例大祭に神楽が奉納されてきた。かつては盆踊りの会場にもなり、地域の住民に親しまれてきた。 震災によって境内の石灯籠などが倒壊したほか、原発事故で避難指示区域となって手入れができず、老朽化が進んでいた。東電の賠償金などを活用し壁や床の板や柱、廊下などを新調した。 改修に合わせ小谷神楽保存会が震災後初めて、神楽を奉納した。 神事の後、おはやしに合わせ神楽舞が披露された。地元の住民が集まり、伝統の舞に見入っていた。 原発事故前は57軒あった小谷地区は現在、2地域拠点の世帯を含め二十数軒となっている。高齢化が進む中、鈴木清延行政区長(77)は「神社も神楽も地域で守っていかなくてはならない」と感慨深げに舞を見つめた。保存会の稲本修一会長(57)は「伝統をなんとかつないでいきたい」と話している。