【初場所新番付】鉄人玉鷲が今場所7日目まで皆勤で肩を並べるのは…/各種記録編
日本相撲協会は23日、大相撲初場所(来年1月12日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。 現役力士の今場所達成可能な歴代10傑入りなどの記録は以下の通り(在位したことで達成済みも含む)。 【通算出場】 先場所中に不惑を迎えた「鉄人」玉鷲(40=片男波)は1658回に伸ばしており、歴代7位に位置する。6位の若の里は1691回で、順調なら25年夏場所で玉鷲が追い抜くことになる。ちなみに歴代1位は大潮の1891回。 【通算勝利数】 現役最後の場所となった21年7月の名古屋場所で全勝優勝した横綱白鵬(現宮城野親方)が「1187勝」という歴代トップの大記録を打ち立てて引退した。歴代2位の元大関魁皇(現浅香山親方)の1047勝、同3位の元横綱千代の富士(先代九重親方)の1045勝までが「1000勝超え」を挙げ、大相撲史に偉大な足跡を残している。 現役1位は玉鷲の836勝。歴代10位で860勝の元関脇寺尾(故先代錣山親方)までは、あと24勝となっている。 現役2位は高安(34=田子ノ浦)の751勝。3位は佐田の海(37=境川)の722勝で続く。 【幕内在位場所数】 歴代1位は元大関魁皇の107場所。白鵬は歴代単独2位の103場所で現役にピリオドを打った。それでも白鵬の、新入幕からの幕内連続在位は、史上初の100場所を超える大記録となっている(103場所まで更新)。 現役1位は、今場所の在位で92場所を数える玉鷲。先場所で並んだ元関脇安芸乃島(現高田川親方)を抜き、単独8位となる。25年も幕内に1年間在位すれば97場所となり、高見山と安美錦に並ぶ歴代4位に浮上する。現役2位は高安で、81場所目、同3位は宝富士(37=伊勢ケ浜)の77場所目を今場所で迎える。 【幕内出場回数】 現役1位は玉鷲の1362回で歴代6位。さらに16回を積み重ねれば、歴代5位の寺尾に並ぶ。現役2位は宝富士の1140回。なお歴代1位は、元関脇旭天鵬(現大島親方)の1470回。 【幕内勝利数】 白鵬が1093勝で、2位の魁皇に214勝もの差をつけ歴代トップに立っている。歴代10傑には千代の富士(3位=807勝)、北の湖(4位=804勝)、大鵬(5位=746勝)、貴乃花(10位=701勝)といった優勝回数20回以上を誇る、そうそうたる横綱が名を連ねている。 現役1位は玉鷲の653勝、2位は高安の591勝、3位は宝富士の536勝で続く。 【通算連続出場】 初土俵以来、無休の「鉄人記録」を持つのが玉鷲だ。24年秋場所2日目、玉鷲は青葉城が38年間も保持していた1630回という歴代トップの数字についに並び、3日目にトップに躍り出た。その後も九州場所まで皆勤を続け、その数を1658回に伸ばしている。もう誰にも破られないのでは、という不滅の大記録だ。いったいどこまで伸ばして力士人生にピリオドを打つのか-。歴史的偉業を達成した後も、玉鷲の若々しい相撲が楽しみだ。 【幕内連続出場】 現役最長、歴代6位としているのが玉鷲だ。13年名古屋場所から続く記録を大台に乗せ、現在1017回。今場所7日目まで皆勤すれば、歴代5位の長谷川に並ぶことになる。 現役2位の宝富士は24年の初場所の皆勤で990回となり、当時歴代6位に浮上した。春場所で十両に陥落したため、過去5人しかいない1000回の大台を前に記録は途絶えたが、10年以上も連続して幕内で出場という立派な記録だ。 なお現役3位は大栄翔(30=追手風)の687回で、現在も継続中。 【三賞受賞】 22年九州場所で殊勲賞を受賞した高安(32=田子ノ浦)が12回受賞となり、栃東(元大関)、安美錦と並び歴代10位に名を連ねた。もう1回受賞して13回になれば歴代7位タイ(武双山、土佐ノ海、琴光喜)、さらにもう1回上乗せして14回になれば同4位タイ(鶴ケ嶺、朝潮、貴闘力)まで上がる。 現役で高安に続くのが、御嶽海の10回、3位は照ノ富士の9回。なお歴代1位は安芸乃島(元関脇)の19回。後述の金星獲得でも歴代トップで、大物キラーぶりがうかがえる。なお歴代2位は1差の18回で琴錦(元関脇)となっている。 【金星獲得】 22年名古屋場所で逸ノ城が、横綱照ノ富士を破り通算9個目の金星を獲得。三根山、玉乃海ら5人が名を連ねていた史上10位の仲間入りを果たしたが、既に引退している。 現役で金星獲得1位は、遠藤(34=追手風)、北勝富士(32=八角)、玉鷲の3人が7個で並ぶ。歴代10傑(9個)入りするにはあと2個の金星が必要だが、横綱が照ノ富士一人しかいないため、今場所で達成はできない。 3人の番付は、遠藤が東前頭7枚目、玉鷲が同10枚目、北勝富士は同14枚目。番付編成上、この3人が横綱と対戦することはない。白星量産の快進撃で終盤まで優勝争いに加われば、番付より優勝争いが取組編成で優先される傾向から、歴代10傑入りに「リーチ」をかけるチャンスが巡ってくるかもしれない。 ちなみに金星獲得歴代1位は安芸乃島の16個で、2位で並ぶ高見山と栃乃洋に4個の差をつけている。