【独自】刑事訴訟法 再審規定改正を要望へ 国に岡山県議会 冤罪被害者を速やかに救済
岡山県議会が刑事訴訟法の再審規定の改正を求める意見書を国に提出する方針を固めたことが16日、関係者への取材で分かった。案では再審請求審の手続きを具体的に明示していない現行法について「冤罪(えんざい)被害者の速やかな救済が妨げられている」とした上で、証拠開示の制度化などを求めている。岡山弁護士会からの陳情を受けて対応を検討していた。 再審制度を巡っては、静岡県の一家4人殺害事件で逮捕された袴田巌さんの再審無罪が確定するまで半世紀以上を要し、制度の不備が審理の長期化を招いたとの指摘が出ている。こうした実態を踏まえ、岡山県弁護士会が現行規定の改正を求める陳情を県議会に提出。議会としても意思表示する必要性があると判断した。 意見書案では、現行法について「再審請求手続きの在り方に関する規定が不十分で、裁判所の広範な裁量に委ねられ、審理の適正さが担保されていない」とし、とりわけ無罪の立証に欠かせない証拠開示のルールを定めるよう明記。再審開始決定に対する検察側の不服申し立てに関しても言及し、迅速な冤罪被害救済の観点から「再審公判では検察官にも有罪立証をする機会が与えられており、申し立てを認めるべきではない」と制限するよう求めている。 同様の意見書は一家殺害事件を受けて静岡県議会が既に可決したのをはじめ、各地の議会で審議されており、見直しを求める超党派の国会議員連盟も3月に発足している。岡山弁護士会の三浦巧副会長は「再審規定の改正には世論の後押しが不可欠で、岡山県議会が地方議会として意見書を提出する意義は大きい」としている。 意見書案は岡山県議会総務委員会が開会中の11月定例会に発議し、全会一致で可決される見通し。