路上で「触られたこともある」…「ビラ配りをするアイドル」が恐怖体験を振り返る
盗撮・痴漢! アイドルへの犯罪行為に及ぶ男たち
ナンパでもなくライブに行くわけでもなく、ただアイドルと話したいだけで近辺をずっとうろうろしているというからアイドルからすればさぞ怖い存在である。さらに悪質なのは盗撮する人だという。 「衣装でビラ配りしているのですが、露出がある衣装なので結構じろじろ見られるんです。いつの間にか写真とか動画を撮られていることがあって……。ちょっと向こうの人のスマホの位置があきらかにおかしくて、これは盗撮されてると思って逃げたこともあります。不自然だからわかりますよね」(ann) ビラを配っているアイドルだからと言って何も勝手に撮影していいわけではない。ましてや胸や下半身を狙った盗撮などもってのほかだ。 「触られたこともあるんです! 最初は普通に話していたのに急に触ってきてびっくりして……逃げても付いてきて……。その時、たまたま別のアイドルファンの方がいて気が付いて助けてくれたのですが、本当に怖かったです……」(るゐ) ここまでくると最早アイドルなど関係ないただの犯罪行為で許されるものではない。ただそんな悪いことばかりでのなく、当然、優しい場面もある。 「アイドル好きな人の方はやっぱり優しいですね。『ありがとう! 今度行くね~』ってビラ配りがきっかけで来てくれる人もいて。知らない人は『なに? 地下アイドル笑』みたいな感じで小馬鹿にされることもあって。でも悔しいから頑張ろうと思いますね」(るゐ)
目の前で破り捨てられるのは「悔しいし悲しい」
やはりアイドルを知らない人たちから見れば派手な衣装でビラ配りをしているライブアイドルは異質な存在に見えるのだろう。そしてどのアイドルもビラ配りで経験しているのが目の前でビラを捨てられることだという。 「これはもう本当に悔しいし悲しいですね。目の前で破り捨てられたことがあって。もらってくれたのは嬉しいけど、せめて駅のゴミ箱に捨てるとか家に持ち帰って捨てるとかしてほしいです」(aira) 最終的に捨てるにせよ、彼女たちの見えないところで捨てるのがせめてものマナーではないだろうか。中には「じゃあビラ配りなどしなければいいのでは?」という方もいるだろう。だが、彼女たちはそれぞれ自分たちの目指すステージ、夢のために行っている。その歩みを笑う資格など誰にもないはずだ。 pipiaのメンバーが話してくれたことはアイドルが抱える厄介事のほんの一部にすぎないだろう。けれどもそういった厄介事を乗り越え、今日も彼女たちはステージで全力のパフォーマンスを見せてくれるに違いない。 <取材・文/松原大輔 撮影/スギゾー> 【松原大輔】 富山県出身。中央大学法学部卒。在学中より故・永谷修氏に師事。文藝春秋『Sports Graphic Number』編集部などを経て2018年に独立。執筆活動のほか書籍の編集、YouTube制作、アーティストマネジメント、ライブイベントなどを行っている。Twitter: @matsudai0228
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