寄付100万円の返礼品「キャスターになれる券」で76歳の新米キャスター誕生『いままで知らなかった人から感動したと手紙をいただいた。価値のある良いふるさと納税だと思う』
考案者『返礼品で夢を実現できることをアピールしたかった』
この返礼品を考えた担当者は次のように話します。 (多可町・税務課 笹倉敏弘さん)「ほかの自治体にないような返礼品を、と思いまして。子どものころ、テレビをつけたらニュースキャスターは憧れだと思うので、夢を実現できるということをふるさと納税の返礼品でできるんですよ、というのをアピールしたかった」 職員たちが知恵を絞って考えた返礼品。松村さん、アイデアに感銘を受けて寄付を決めました。 (多可町・税務課 笹倉敏弘さん)「熱意があるというか、100万円なんか惜しくないと言われたので、すごい方やなと思いました」 (松村二美さん)「(寄付前に)最初に来た時はお茶も出ないコーヒーの1杯も出ない。でも100万円を納めてから初めて来た時はずらっと職員が両側に並んでね。それにも感動してね、すばらしいと思いましたね」
奈良県などで40年以上教師をしていた松村さん
そんな松村さんが住むのは多可町から直線距離で約500km離れた千葉県いすみ市。毎回、電車やバスを乗り継ぎ、片道8時間以上かけて多可町まで足を運んでいるのです。 (松村二美さん)「料理好きよ。自分の簡単レシピで短時間でちょこちょことやる」 松村さんは奈良県桜井市出身。40年以上、奈良や東京で小学校の教師をしていました。退職後は千葉で夫の哲夫さんと2人暮らし。おしゃべりで飾らない性格の松村さんと対照的に物静かな夫もキャスターになることは陰ながら応援してくれていて、夫婦で家庭菜園や料理作りを楽しむ充実した生活を送っています。
『教師時代の出来事を綴ったエッセーを朗読するコーナーを作りたい』
松村さん、ぜひやりたいことがあるそうです。 (松村二美さん)「多可町の人たちに自分の書いた本を読んで聞いていただきたい。ニュースキャスターだけではつまらないなと思いましたね」 松村さんは教師時代の児童や保護者との出来事を綴ったエッセーを4冊出版しています。近くの小学校や福祉施設で著書「学級愉快」を朗読することがライフワーク。ケーブルテレビでも朗読のコーナーを作りたいと申し出たところ、町は快諾してくれたそうです。 この日の朗読は40分間、一度も休むことなく読み続けるエッセー。先生に反抗的な態度をとる児童の卒業までの心の移ろいを描いたものです。感情豊かに読む姿に職員も耳を傾けます。 (多可町たかテレビ 安藤純一局長)「詳しく説明しなくてもちゃんとわかってらっしゃる。間を開けるところは間を開けたり、さすが長年教壇に立たれていたご経験はだてではないなと感じています」 (松村二美さん)「ありがとうございます。どうもどうも。恐縮です」 月1回の収録は9月まで続きます。松村さん、ニュースキャスターは生きがいだと話します。 (松村二美さん)「(キャスターを)2、3回しかやっていないのにすごく感動したというお手紙をいただいて。いままで知らなかった人からそのように声をかけていただけるというのは人生最高の喜びじゃないですかね。本当に価値ある良いふるさと納税だなと思っています」 (2024年1月30日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特集』より)
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