FRBの割引窓口、利用しにくさを当局者や専門家が指摘-汚名や規制
(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)は、米国の銀行が重要な緊急融資枠を利用しにくくなっている問題にもっと取り組む必要がある。
アトランタ連銀が20日に開催したカンファレンスで、割引窓口として知られる支援プログラムを見直そうとするFRBの取り組みに対して、現・元当局者や専門家が指摘した。
ニューヨーク連銀で30年のキャリアを持つスーザン・マクラフリン氏はパネル討論会で「割引窓口は、汚名を着せられた金融安定化ツールだ」と述べた。金融危機の際に同制度の運営を監督したマクラフリン氏は、FRBはバックアップをより効果的なものにするための措置を講じようとしているが「さらにできることがあると思う」と述べた。
FRBの政策立案者と規制当局は、銀行が預金流出などの金融ショックに迅速に対応できるよう、定期的に割引窓口を利用することにもっと慣れてほしいと考えている。しかし、銀行は弱さや必死の状態の表れと受け取られることを恐れて割引窓口を利用したがらない。また、その運用は業界の多くの人々から不便で後進的で負担が大きいと見られている。
昨年、シリコンバレー銀行(SVB)やその他の地域金融機関が破綻したことを受け、この制度の見直しは急務となっている。規制当局は預金の急速な流出に衝撃を受けたが、SVBや他の銀行が割引窓口を利用する準備が整っておらず、代わりに連邦住宅貸付銀行(FHLB)からの借り入れに頼っていたことにも衝撃を受けた。これは全体的な調達コスト押し上げにつながる。
FRBのバー副議長(銀行監督担当)はアトランタ連銀の会議の基調講演で、規制当局は新たな銀行流動性規則に加え、金融機関が割引窓口を利用する準備を整えるための変更についても議論していると述べた。これには一定規模以上の銀行に対し、保険対象外の預金の割合に基づき準備金のプールや事前に準備した担保を通じて、割引窓口ですぐに利用可能な最低限の流動性を維持することを義務付けることも含まれる。