米国発の防災訓練「シェイクアウト」って何?
米国発の新しい防災訓練「シェイクアウト」が広がっています。日時を指定して、みんなで一斉に机の下にもぐるだけの訓練なのですが、そのシンプルさやカジュアル感、つながり感が受け入れられているようです。防災・減災の行動や意識を変える手段ともなり得るでしょうか。 ■米国発、日本でも普及呼び掛け シェイクアウト(Shake Out)は米国カリフォルニア州で2008年に始まった地震防災訓練の名称。直訳すると「地震を吹っ飛ばせ」といった意味になりますが、日本では「一斉防災訓練」と意訳して、防災研究者らが普及を呼び掛け始めました。 2012年に林春男・京都大防災研究所教授ら11人が呼び掛け人となって「日本シェイクアウト提唱会議(効果的な防災訓練と防災啓発提唱会議)」が発足。訓練のノウハウをまとめて自治体に提供、同年3月8日に東京・千代田区が実施主体となって日本で初めて本格的に行われ、約2万5000人が参加しました。 12年度は全国で約13万人、13年度は約28万人が参加登録、今年度も9月1日の防災の日を中心に、北海道から大分まで18都道府県で実施が予定されています。本国のアメリカでは1000万人近くが同時参加する規模だそうです。 ■3段階で安全確保行動 やり方は極めてシンプル。決められた日時に大地震が発生したと想定し、各自が3段階の「安全確保行動」を取ります。「Drop(まず低く、しゃがむ)」「Cover(頭を守る、かくれる)」「Hold On(動かない、待つ)」。屋内にいる場合は固定されたデスクやテーブルの下に入り、揺れが収まるのを待つ、屋外ならビルや電線などから離れた場所を探し、カバンで頭を守ったり、うずくまったりするような行動です。提唱会議は「地震発生時、激しい揺れに襲われ何かが落下してくるまでには数秒の猶予しかないかもしれません。いざというときに備えておくためには、日ごろの訓練が必要不可欠です」と、その意義を説明します。 行動だけを取りだしてみると、誰もが小学校で体験した防災訓練そのものです。しかし、その場限りで「やらされる」感の強い学校の訓練に対して、シェイクアウトは自主的な参加意識を高め、事前学習や当日の情報共有、事後の報告や反省などを重視します。ホームページなどで参加登録を受け付け、フェイスブックやツイッターでの投稿を呼び掛けるなど、IT利用をすすめているのも特徴なのです。